本メールは、週1回程度を目安に以下の3つのパートから情報をお送りさせていただく内容となっております。

  • 「Paradigm Shift -新しい価値観-」
  • 「Unique Asset Management -独自の資産形成-」
  • 「Zoom In -BALI or Philippinesのリアルな生情報-」
 

■Paradigm Shift -新しい価値観-


一般社団法人という言葉を聞いて、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。

「業界団体?」
「資格を発行しているところ?」
あるいは少し税務に詳しい経営者なら、「ああ、昔、相続対策で流行ったやつね」
かもしれません(笑)。

確かに一時期、一般社団法人を使った相続対策はかなり注目されました。
株式会社と大きく違うのは、一般社団法人には「株式」や「持分」という概念がないこと
です。

株式会社なら、会社の価値が上がれば株価も上がる。
そして創業者が亡くなれば、その株式は相続財産になります。
ところが一般社団法人には、そもそも相続する「株」がありません。
そこでかつては、この特徴を利用した相続対策が活発に研究され、一部では税理士さんた
ちも積極的に提案していました。

当然ながら国も、「いやいや、それはちょっと違うでしょう」となります(笑)。

2018年度の税制改正によって、一定の同族支配された一般社団法人については、理事が死
亡した際に法人そのものへ相続税を課す仕組みが導入されました。
ここで一気に、「一般社団法人を使った相続対策は終わった」という空気が広がりました。

でも、ここが面白いところです。

正確には、一般社団法人が使えなくなったのではなく、“同族だけで囲い込んで相続税を
避ける”ような単純な使い方が難しくなったということなんですよね。

例えば、理事3名のうち、創業家の身内が1名、残り2名が独立した第三者であれば、同族
理事の割合は3分の1です。

もちろん、単に形式上の第三者を置けばいいという話ではありません。
特殊関係者に該当しないか、実際の意思決定がどうなっているか、長期間の理事構成がど
うなっているかなど、税務上は全体で見られます。

つまり、昔のように「一般社団法人に資産を入れておけば大丈夫」という発想は通用しない。
その代わり、ガバナンスをきちんと設計した法人として使うという方向に変わってきたわけ
です。

私は、ここに今の一般社団法人の面白さがあると思っています。

ポイントは、「節税」ではありません。
・資産を誰が所有するのか。
・誰が経営するのか。
・そして、それを次の世代へどうつなぐのか。
ここを分離して考えるための「器」だと思うのです。

実際、上場企業の株主構成を見ていくと、一般社団法人が大株主として登場するケースは決
して一つや二つではありません。
例えばカルビーでは「一般社団法人 幹の会」が14%超、うかいでは「一般社団法人鵜飼家持
株会」が24%超を保有しています。

さらに興味深いのが横田製作所です。

同社では「一般社団法人ヨコタ」が約33%を保有する筆頭株主となっており、創業家などが
保有する株式を信託し、その議決権を一般社団法人が行使する仕組みが採られています。

また、コーセーホールディングスでは、「一般社団法人コーセーマネジメント」「一般社団
法人ウッド」「一般社団法人MYMラボラトリーズ」という3つの一般社団法人が、それぞれ
約9%ずつ、合計すると約28%もの株式を保有しています。
フジ住宅でも、複数の一般社団法人が合わせて20%を超える株式を保有しています。

こうして見てみると、一般社団法人は決して「昔流行った相続対策の残骸」ではありません。
むしろ、創業家の株式を長期的に安定保有したり、所有と経営を切り離したり、次世代に経
営権をつないでいくための“器”として、現在も静かに使われていることが分かります。

ここが非常に面白いところです。

税制改正によって、単純な相続税回避のための一般社団法人活用は難しくなりました。
しかし、それは一般社団法人という仕組みそのものが使えなくなったという意味ではありま
せん。

むしろ、「節税の器」から、「株式・経営権・資産を長期管理するガバナンスの器」へ。
役割そのものが変わってきた、と考えた方が実態に近いのではないでしょうか。

これ、経営者にとって結構重要なヒントだと思うのです。

私たちは会社をつくると、つい「自分の会社=自分の財産」と考えます。
でも100年続く会社を考えたら、本当にそれでいいのでしょうか。

子供が会社を継ぐとは限らない。
株を持つ人と、経営能力のある人が同じとも限らない。
さらに海外事業や海外資産まで増えてくれば、個人ですべてを持つこと自体がリスクになる
こともあります。

だから、「誰に財産を渡すか」から、「どんな仕組みに財産を残すか」へ。
ここにParadigm Shiftがあるように思います。

これは私が提唱しているPTMCの考え方ともつながります。

Portable(occupation)、Multi-Currency、Cross-Border。

仕事や収益源をPortableにし、資産を複数通貨で持ち、国境を越えて事業や資産を配置する。
ただし、海外へ広げれば広げるほど、最後に必要になるのは「それらを束ねる器」です。

日本法人、海外法人、株式、不動産、保険、金融資産。
それぞれをバラバラに持つのではなく、一般社団法人を含めた複数の法人や仕組みをどう
接続し、誰が管理し、次の世代へどう残していくのか。

一般社団法人を単なる「節税ツール」と見る時代は、むしろ終わったのだと思います。
これから面白いのは、「家族の資産を守るための器」「経営権を安定させるための器」「国
内外の資産を次世代へつなぐための器」として考えること。

会社を大きくすることだけが経営ではありません。
最後に、自分がいなくても回り続ける仕組みをつくれるか。
一般社団法人を改めて見てみると、実はそこに、これからの経営者にとって面白い選択肢が
隠れているのかもしれません。

 

■「Unique Asset Management -独自の資産形成-」

前回のParadigm Shiftでは、一般社団法人を「昔の相続対策の道具」ではなく、株式や経
営権、資産を長期的に管理するための“器”として考えてみました。税制改正によって単
純な相続税対策としての活用は難しくなりましたが、だからといって一般社団法人そのも
のの価値がなくなったわけではありません。むしろ、資産や経営権をどう持ち、どう次の
世代へつなぐのかという視点で見ると、改めて面白い存在です。

では、その器の中に何を持たせるのか。ここからが今回のUnique Asset Managementです。

資産形成というと、多くの人はまず「何を買うか」を考えます。株式なのか、投資信託な
のか、不動産なのか、海外ファンドなのか。もちろん商品選びは重要ですが、それ以上に
考えたいのが、「その資産をどの器で持つのか」という視点です。

同じ1億円の金融資産でも、個人で持つのか、株式会社で持つのか、海外法人で持つのか、
あるいは非営利型の一般社団法人で長期保有するのかによって、税務、相続、事業承継、
ガバナンスは大きく変わります。

ここで一般社団法人の税務上の特徴が少し興味深くなります。一定の要件を満たした非営
利型の一般社団法人は、株式会社のようにすべての所得が法人税の対象になるわけではな
く、原則として法律で定められた34の「収益事業」から生じる所得が課税対象になります。

逆に言えば、34の収益事業に該当しない所得については、法人税の課税対象とならない可
能性があります。

例えば、法人自身が長期保有する株式からの配当や、自己資金で保有していた株式・投資
信託の売却益、預金利息、海外ファンドから得られる収益などです。
これらは、単に「投資で利益が出た」というだけで直ちに34の収益事業に該当するとは限
りません。

ただし、ここを「一般社団法人なら運用益は非課税」と単純化してしまうのは危険です。
その資産が収益事業に属するのか、非収益事業に属するのか、あるいは投資そのものを事
業として反復継続しているのかによって、税務上の扱いは変わります。

だからこそ、この話は節税テクニックではなく、資産の役割ごとに、持たせる器を考える
話として捉えるべきだと思います。

事業を行う法人、株式を長期保有する法人、海外事業を行う法人、保険やリスクマネジメ
ントを担う仕組み。そして必要に応じて、一般社団法人を使いながら資産や経営権を長期
的に管理する。

すべてを一人の個人や一つの法人に集めるのではなく、それぞれの役割に応じて分ける。
これは、かなりファミリーオフィス的な発想です。

そして、この考え方はPTMCともつながります。
Portable(occupation)、Multi-Currency、Cross-Border。

収入源を一つの場所に依存させず、資産を一つの通貨に依存させず、事業を一つの国に依
存させない。
ただ、海外へ広げれば広げるほど、最後には必ず「それらを誰が、どの器で、どのルール
で持つのか」という問題に行き着きます。

また、私たちはどうしても、年5%なのか、8%なのか、10%なのかという利回りの数字に
目が行きます。もちろん、その差は長期では大きな違いになります。ただ、20年、30年、
あるいは次の世代まで資産を残そうと考えたときには、利回り以上に、「その資産がどの
Structureの中に置かれているのか」が重要になってくるのではないでしょうか。

株式を買うのか、ファンドを買うのかという「商品選び」の前に、まず考えるべきなのは
、どの器で持つのか。
同じ1億円の金融資産でも、「誰が持つか」によって、税務・承継・ガバナンスはまったく
違ってきます。

Unique Asset Managementとは、単に高い利回りを探すことではありません。
資産そのものではなく、資産を保有するStructureまで設計すること。
これからの経営者の資産形成では、この視点がますます重要になってくるように思います。

※本稿は一般社団法人および非営利型法人の制度・資産管理に関する一般的な考え方を
紹介するものであり、個別の税務判断や節税効果を保証するものではありません。
非営利型法人への該当性、各収益の収益事業該当性、金融商品の課税関係、国内外の資産
移転・運用等については、法人の実態や取引内容によって取り扱いが異なるため、実行に
あたっては必ず税理士等の専門家に個別確認してください。

 

■「Zoom In -BALI or Philippinesのリアルな生情報-」


インドネシアでビジネスをしていると、ときどき「海外進出」という言葉の意味を考えさ
せられます。

日本の商品をそのまま持っていけば売れる。日本の技術が優れていれば採用される。
そんな時代は、どうやら少しずつ変わってきているようです。

今回、インドネシアで事業を進める際のパートナーでもあるインドネシア総研のレポートを
読んでいて、その象徴だと感じたのが石油・ガス産業における「TKDN」という制度でした。
TKDNとは、簡単に言えば「どれくらいインドネシア国内の製品、人材、サービスを使ってい
ますか?」という国内調達率の考え方です。

インドネシアの石油・ガス産業では現在、既存鉱区の生産量が低下する一方、東カリマンタ
ン沖、西パプア、アチェ沖などで新しいガス田開発が進められています。2027~2028年頃の
生産開始を目指す大型案件も複数あり、マルク州では総投資額約209億ドルという巨大な
アバディ・マセラLNGプロジェクトも進んでいます。

普通なら「大規模開発が増えるなら、日本企業にもチャンスだ」と考えます。
もちろん、それは間違いではありません。

ただし、そこに一つ条件が付いてきます。
インドネシアの中に、どれだけ価値を残せるのか。
これがTKDNです。

設備や部品を日本から全部持ち込んで、「はい、世界最高品質です!」と言っても、それだ
けでは通用しにくくなっている(笑)。

現地企業を使う。インドネシア人材を育成する。国内で製造・調達する。技術移転を行う。
そうした「現地化」まで含めて評価される時代になっています。
実際、インドネシア政府はTKDNを、単なる調達ルールではなく、国内産業の育成、雇用拡大、
技術力向上、輸入依存の低減につなげる政策として位置付けています。
2025年の上流石油・ガス分野におけるTKDN実績は57.05%でした。

しかも最近は運用もかなり厳格です。

SKK Migasの調達ガイドラインと新しいTKDN算定制度が連動し、申告した国内調達率が実績を
下回れば、罰金やブラックリスト入りの可能性もある。つまり、「書類だけローカル」は、
だんだん通用しなくなっているわけです。

ここから見えてくるのは、インドネシア進出では「何を売るか」以上に、誰と組むか、どこ
で作るか、誰を育てるかが重要になっているということです。

この感覚は、私が考えるPTMCともよく似ています。
国境を越えて仕事や資産を持つというと、どうしても「海外へ持っていく」という発想にな
りがちです。しかし本当のCross-Borderは、日本のものをそのまま海外へ移すことではあり
ません。

その国の制度、人材、企業、商習慣の中に入り、自分たちの技術やノウハウを組み合わせて、
新しい収益源をつくること。
つまり、海外進出とは「輸出すること」から「現地に組み込まれること」へ変わりつつある
のだと思います。

インドネシアにはまだ大きな成長余地があります。
ただ、その成長を取り込めるのは、外から眺めている企業ではなく、現地のエコシステムの
中に自分たちの居場所をつくれる企業なのかもしれません。

海外へ出るなら、場所を変えるだけでは足りない。
自分たちの事業そのものを、その国で必要とされる形に変える。
これもまた、これからのPTMCに必要な視点ではないでしょうか。

※出典:株式会社インドネシア総合研究所
https://www.indonesiasoken.com/news/indonesia-oil-gas-tkdn-regulations/

 

■Infomation

10月のセミナースケジュール

【脱・日本一本足経営 PTMC理論で国家リスクと企業リスクを切り離す】
主催:プランニングネットワーク
日時:10月21日 10:00~12:00
参加費:無料
第一部 PTMC理論
第二部 Captiveとは

申し込み:
https://ptmc2610.peatix.com/

 

【インドネシア日本語学校事業説明会】
主催:プランニングネットワーク
日時:10月21日 15:00~16:30
参加費:無料

申し込み:
https://idn2610.peatix.com/

 

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