本メールは、週1回程度を目安に以下の3つのパートから情報をお送りさせていただく内容となっております。

  • 「Paradigm Shift -新しい価値観-」
  • 「Unique Asset Management -独自の資産形成-」
  • 「Zoom In -BALI or Philippinesのリアルな生情報-」
 

■Paradigm Shift -新しい価値観-


相続の世界では、昔から「株価を下げておきましょう」「不動産に替えて評価を圧縮し
ましょう」といった話がよく出てきます。経営者であれば、一度くらいは耳にしたこと
があるのではないでしょうか。

もちろん、こうした手法がすべてなくなるわけではありません。ただ、最近の税制改正
を眺めていると、時代の方向はかなりはっきりしてきたように感じます。

それは、「評価を下げることだけを目的にした相続対策は、これからますます難しくな
る」という流れです。

2024年からは分譲マンションの相続税評価方法が見直され、市場価格と相続税評価額の
大きな乖離を利用した、いわゆる「タワマン節税」に対するルールが変更されました。
さらに2026年度税制改正では、相続前5年以内に取得・新築した一定の貸付用不動産につ
いて、2027年以降、通常の取引価額を意識した評価へ近づける見直しが盛り込まれてい
ます。

つまり、「何を買えば評価が下がるのか」という発想だけで相続を考える時代は、少し
ずつ終わりに近づいているのかもしれません。

では、これから何を考えるべきなのでしょうか。

ここで非常に参考になるのが、ヨーロッパのファミリービジネスや資産承継で見られる
考え方です。欧州では、資産を単純に「誰が所有しているか」だけで考えるのではなく、
誰が法的に所有するのか、誰が経済的な利益を受け取るのか、そして誰が意思決定する
のかを分けて設計する発想があります。

代表的な例として、オランダのSTAKと呼ばれる財団型の仕組みがあります。
会社の株式そのものはSTAKが保有し、家族には経済的利益を受け取るための証書を持た
せる一方で、株主としての議決権はSTAKの理事会が行使します。つまり、経済的な恩恵
は次世代へ渡しながらも、会社の意思決定まで無条件に渡す必要はないという考え方で
す。

さらにリヒテンシュタインなどでは、ファミリー財団という仕組みもあります。財団そ
のものには株式会社のような株主や所有者がおらず、創設者個人の資産から切り離した
うえで、「何のためにこの資産を残すのか」という目的に沿って管理していきます。

私はこの発想が非常に面白いと思っています。

私たちはどうしても、「自分の資産は自分が所有し、それを子供に渡す」という一本線
で考えがちです。しかし欧州の考え方を見ていると、資産を残すということは、単に所
有権を移すことではありません。

所有、利益、支配、管理をそれぞれ分けて設計することによって、資産や事業を長く残
していくという発想なのです。

日本でも、その延長線上で一般社団法人という法人形態を考えることができます。
一般社団法人には株式会社のような株式がありません。そのため、個人が会社の株を持
ち、それを子供が相続し、さらに孫が相続するという単純な形だけではなく、資産の帰
属、経済的利益、意思決定、事業承継を分けて設計するという発想につなげやすくなり
ます。

もちろん、「一般社団法人に財産を入れれば相続税がなくなる」というような魔法の箱
ではありません(笑)。
すでに一定の同族支配がある一般社団法人については、理事の死亡時に法人へ相続税を
課す「特定一般社団法人等」の制度も設けられています。

だからこそ、これから大切になるのは、節税商品を探すことではなく、構造そのものを
どうつくるかだと思います。

誰に資産を渡すのか、誰に収益を渡すのか、誰に経営権を渡すのか、そして誰に「守る
責任」を持たせるのか。この4つを、必ずしも同じ人に渡す必要はありません。

この考え方は、PTMCにも非常によく似ています。

Portable(occupation)、Multi-Currency、Cross-Border。

仕事を一つの場所に依存させず、資産を一つの通貨に依存させず、そして承継も、一つ
の資産、一つの法人、一つの国の制度だけで考えない。国内法人、一般社団法人、不動
産、保険、海外法人、海外資産などをそれぞれ単品で見るのではなく、一枚の設計図の
上で組み合わせていくことが重要になります。

これからの相続で問われるのは、「いくら評価を下げられるか」という話よりも、資産
と事業を、誰がどのようにコントロールしながら次の世代へ残していくのかという視点
なのかもしれません。

相続のParadigm Shiftは、「所有する」から「仕組みで支配・管理する」へ、そして
「圧縮する相続」から「設計する承継」へ。

経営者にとって相続は、人生の最後に考える税務対策ではありません。会社をつくった
瞬間から始まっている、いわば最後の経営戦略なのだと思います。

 

■「Unique Asset Management -独自の資産形成-」

海外で資産運用をしている方と話していると、どうしても「何に投資するか」「何%で
回るか」という話が中心になります。もちろん入口としては大切なのですが、資産があ
る程度育ってくると、実はもっと大きなテーマが出てきます。

「さて、この資産を最終的にどこへ着地させるのか?」

海外投資は、増やすところまでは皆さんかなり熱心なのですが、出口になると急にノー
プランだったりします(笑)。

日本の居住者が個人で海外資産を運用している場合、原則として国外で得た所得も日本
の課税対象になります。ただし、すべてが総合課税になるわけではなく、配当、利子、
株式譲渡、不動産、ファンドなど、資産や所得の種類によって総合課税、申告分離課税
など取扱いは変わります。また海外でも課税されている場合には、一定の外国税額控除
によって二重課税を調整する仕組みもあります。

ここで一度、視点を「個人」から「法人」へ変えてみます。

たとえば海外で事業や投資を行うための法人を設け、その法人自身が資産を保有し、現
地で得た利益について現地のルールに従って法人税を支払う。そして株主である自分に
は役員報酬や配当としてすぐに戻さず、税引後利益を法人内部に留保しながら、その資
金で次の投資を行っていく。

こうすると、発想そのものが変わります。

個人名義で海外資産を一つずつ所有するのではなく、海外法人という「器」の中で資産
を育てていくという考え方です。

利益が出るたびに日本へ戻して消費するのではなく、現地で不動産を取得したり、事業
へ再投資したり、金融資産へ振り向けたりすることで、法人のバランスシートそのもの
を大きくしていく。私は、この「個人のお財布」ではなく「海外の資産保有主体を育て
る」という視点が、これからの経営者の海外資産形成では重要になってくると思ってい
ます。

ただし、ここで「海外法人をつくって利益を置いておけば、日本では課税されないんで
すね」と早合点してはいけません(笑)。

日本には外国子会社合算税制、いわゆるCFC税制があります。一定の外国法人については、
配当せずに利益を法人内部へ留保していても、その法人の実体、管理支配、現地での事
業活動、税負担率、さらには利子や配当などの受動的所得の内容によって、日本側で所
得を合算して課税される場合があります。

だからこそ大切なのは、単に海外に「箱」を置くことではありません。現地できちんと
事業を行い、管理し、意思決定し、税金を払い、資産を増やしていくという実体のある
器をつくることです。

この考え方は、まさにPTMCにつながります。

Portable(occupation)、Multi-Currency、Cross-Border。

収入源を一つの国だけに置かず、資産を一つの通貨だけで持たず、さらに資産を保有す
る「主体」そのものについても、一つの国、一つの個人名義だけに依存しない。海外事
業を行っている経営者であれば、会社が稼ぐ場所と、資産を持つ場所と、将来承継する
仕組みまでを一枚の設計図として考えていく必要があります。

そして、ここからが本当の意味での「着地」です。

海外法人に積み上がった資産を、いつ、誰が、どのような形で使うのか。日本へ戻すの
か、海外で再投資を続けるのか、それとも次の世代へ承継していくのか。それによって
最適な形はまったく変わってきます。

海外資産形成というと、どうしても「何%で回るのか」という利回りに目が行きます。
しかし、資産が大きくなればなるほど重要になってくるのは、利回りそのものよりも、
その資産をどのような構造で持ち、どう育て、どう残すのかという設計だと思います。

「何を買うか」だけではなく、「誰が持つのか」「どの器で増やすのか」「最後にどこ
へつなぐのか」。このあたりまで考えて初めて、海外資産形成は単なる投資から
「Unique Asset Management」へ変わっていくのではないでしょうか。

そして、その海外の器と、日本の個人や法人、一般社団法人などをどう接続していくの
かが、実はかなり重要なんですよね。

単純に税金を減らすことだけを目的にするのではなく、法律や税務のルールをきちんと
守り、コンプライアンスやガバナンスを維持しながら、その中でどう最大限の成果を残
していくのか。

ここは、考え始めるとなかなか奥が深いところです。
この「国内と海外をどう接続するのか」という部分については、また別の機会にじっく
りお伝えしたいと思います。

 

■「Zoom In -BALI or Philippinesのリアルな生情報-」


インドネシアで仕事をしていると、当然ながらまず耳にするのはインドネシア語です。
「Terima kasih(ありがとう)」
「Selamat pagi(おはようございます)」
このあたりを覚えるだけでも、出張初日はなんとなく「少しインドネシア人になった気
分」になります(笑)。

ところが、インドネシア総研が紹介している現地の言語事情を見てみると、この国はそ
んな単純ではありません。

インドネシアの公用語はインドネシア語ですが、教育省の言語開発・育成庁によれば、
国内には実に718もの地方言語が確認されています。ジャワ語、スンダ語、マドゥラ語、
ミナンカバウ語、そしてバリ語など、その土地ごとに独自の言葉が存在します。単なる
「方言」というより、それぞれ別の言語に近い世界です。

しかも、地方言語は決して昔のお話ではありません。

BPS(インドネシア中央統計庁)の2024年データでは、10歳以上の人口の75.37%が家庭
内または社会生活で地方言語を使用しています。さらに、私たちにも馴染みの深いバリ
州では、その割合が88.35%。一方、ジャカルタ特別州では6.30%です。
都市や地域によって、言葉を取り巻く環境がこれほど違うわけです。

ここに、インドネシアビジネスの面白さがあります。

ジャカルタで通じる常識を、そのままバリへ持っていけばいいわけではない。スラバヤ、
ジョグジャカルタ、スマトラへ行けば、また地域ごとの文化や人間関係があります。

もちろんビジネスのために地方言語を全部覚える必要はありません。718言語を覚えてい
たら、本業をする時間がなくなります(笑)。

大切なのは、「この人たちには、この人たちの言葉と文化がある」と理解することなの
だと思います。

現地の「ありがとう」を一つ知っている。地域の習慣を少し知っている。それだけで、
外国からやって来た人と「自分たちを理解しようとしてくれている人」とでは、受け止
められ方が変わります。

これは、海外進出において意外と重要です。

PTMCでは、仕事や収入を場所に縛られないPortable(occupation)、資産や収益を一つの
通貨に依存させないMulti-Currency、そして国境を越えて事業や資産を組み立てるCross-
Borderという考え方を大切にしています。

ただしCross-Borderとは、会社を海外につくることだけではありません。
国境を越えるなら、文化の境界も越えなければならない。

日本で成功した商品やサービスを、そのまま海外へ持っていけば売れる時代ではありま
せん。現地の言葉、文化、価値観、人間関係の中に入り、自分たちのビジネスを少しずつ
「現地化」していく。

インドネシア総研の記事を読んでいると、718の言語が教えてくれているのは、そんな
Cross-Borderビジネスの基本なのかもしれません。

海外進出で最初に必要なのは、流暢な英語でもインドネシア語でもなく、「あなたたちの
ことを、もう少し知りたい」という姿勢。
案外そこから、ビジネスは始まるのだと思います。

引用:株式会社インドネシア総合研究所コラムより

 

■Infomation

10月のセミナースケジュール

【脱・日本一本足経営 PTMC理論で国家リスクと企業リスクを切り離す】
主催:プランニングネットワーク
日時:10月21日 10:00~12:00
参加費:無料
第一部 PTMC理論
第二部 Captiveとは

申し込み:
https://ptmc2610.peatix.com/

 

【インドネシア日本語学校事業説明会】
主催:プランニングネットワーク
日時:10月21日 15:00~16:30
参加費:無料

申し込み:
https://idn2610.peatix.com/

 

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