本メルマガは、週1回程度を目安に以下の3つのパートから情報をお送りさせていただく内容となっております。

  • 「Paradigm Shift -新しい価値観-」
  • 「Unique Asset Management -独自の資産形成-」
  • 「Zoom In -BALI or Philippinesのリアルな生情報-」
 

■Paradigm Shift -新しい価値観-


東南アジアのREIT市場

タイ:初上場2014年、上場数23
マレーシア:2005年、18
シンガポール:2002年、44
インドネシア:2013年、3
フィリピン:2020、1

アジアでも不動産REITが本格的になってきました。市場規模として約10兆円。
そんな中、Philippines大手財閥であり最大デベロッパーのAYALAがPhilippinesでの初となるREIT上場を8月13日果たしました。
「2008年から準備してきた我が社にとって歴史的な1歩だ」
と、Ayala Landの会長であるFernando Zobel de Ayala氏は述べています。
これは元々政府が2009年にREITを許可する法律を制定したものの、レギュレーションが厳しすぎて、それまでどこも名乗りをあげていませんでした。

しかし、今年の1月に規制緩和があったことで、国内初の上場が実現しました。
これにより、Philippinesでは土地の所有を基本的に禁止されている外国人が間接的に不動産に投資することが可能になることを意味し、開発側はREITに物件を売却することで投資の早期回収が実現し、開発スピードを速められる形となります。
これによりPhilippinesにおける不動産ビジネスはますます目が離せなくなったわけです。

実はフィリピンで不動産に携わってきて5年が経過しようとしています。
といってもコンドミニアムなどの取り扱いを行ってきたわけではなく、外国人では扱えないといわれてきた土地に関してのビジネスを行ってきました。
この間、貴重な経験をさせてもらっています。
たとえば、土地売買に必要となる4点セット。これがなかなか揃わないケースが多いのですが、そこを用意すること自体がノウハウであること。
土地サイズが大きすぎると土地売却までのプロセスにも時間がかかるため、あらかじめ分筆しながら売却を行っていくことで、そのスピードを速めること。
土地所有をする決定的な方法なども貴重な経験と言えます。

グループで1万へクタールを超える土地を押さえているわけですが、こちらを上記のようなREITへの売却を念頭に置いたデベロッパーなどへ売却することもできるようになるので、我々の事業スピードも速くなっていくと思います。

現在、多くのデベロッパーは、office需要における商業開発をメインに手掛けています。
現にPhilippinesでのBPO事業を拡大する企業(アメリカのアロリカ、シンガポールのエバーライズ)などが、数千人クラスでの増員などを図っています。

ただ、マーケティング的にこの流れはずっと続くとは思っていないので、我々が目指すべきは、Philippinesにおける団地形成です。
すなわち、一戸建ての開発による、中間層への住宅供給事業です。昭和40年~50年代の日本が行ってきた開発です。
日本でいうところの千葉、埼玉、神奈川にあたる地方都市での開発事業になります。

開発用地自体はすでに押さえてあるので、そこに日本の技術を併せ持つ、ハウスメーカーや建築業者などの不動産ビジネスが参入し、住宅を建築。
初期投資としても土地を押さえなくていいので、建築コストのみの負担で事業展開が可能です。
住宅のオーナー、いわゆる家主は日本人になってもらいたいと考えています。
正直なところ、Philippines人にloanなどを組成して購入してもらうほうが早いですが、オーナーになることで家賃収入が発生することになるので、その恩恵を日本人にもたらせたいと思っています。
すでに大手ソーシャルレンディングなどを行っている企業へも話をしており、是非拠出したいとの声もいただいております。日本で運用するよりも収益率は高くなると思いますしね。

ちなみに賃貸で住まう客付けなどもこちらで行っていきます。
提携先に消費者金融事業を行っている会社があるので、そこのお客様が見込み顧客そのものになるわけです。
賢い方はお分かりかと思いますが、不動産事業だけでなく、マイクロファイナンスやレンディングなどの貸金業への出資による安定的な運用も可能です。
Philippinesのおけるレンディングビジネスなども研究されると非常に面白いと思います。

あわせて、期間限定でこれらの事業の提携先を募集します。
コロナで渡航できないこの期間にもろもろ準備・段取りをすすめたいと考えており、この期間に深くお話ができる方や事業者の方とミーティングなどを行いたいと思います。
・不動産開発事業者(ハウスメーカー・ゼネコン・デベロッパー)
・販売事業者(経験として、コンドミニアム販売・金融商品販売・FPの方など)
上記の内容を見て何か感じられるものがあれば、JACK佐々木までご連絡ください。

 

■「Unique Asset Management -独自の資産形成-」

今回は、国際分散投資をおこなう地域について、どのように活用できるかをみていきたいと思います。

みなさんは「オフショア」と呼ばれている地域についてご存知でしょうか?
私がオフショア地域の存在を知ったのが20年前ですから、ある程度の金融知識のある方であれば当然のキーワードになっていると思います。

オフショアとは、非居住者の資産に対する所得税・キャピタルゲイン税(不動産や有価証券などの値上がりによる利益を得た際の税)・相続税などのすべてが無税、もしくは税金が著しく低い島、群島、特別地域や小国を指します。

オフショアとして指標となる税率は、最高でも25%以下の国や地域ですね。

日本の近くでは、香港やシンガポールが有名です。
税率も香港は17.5%、シンガポールは19%となっています。

その他に代表的なオフショアの地域としては、イギリス沖のマン島、ジャージー島、カリブ海のケイマン諸島、スイス、モナコなどが挙げられるでしょうか。

世界の金融機関はこうした国々に本社機能を置くことで、税金を抑えて、会社の利益を最大限に高めることが可能になります。

オフショアには、世界中から巨額の資金と、世界トップクラスの金融のプロたちが集まってきます。

世界各国の銀行、証券、投資会社などで活躍をしたファンドマネージャーたちが、次々とヘッドハンティングされてオフショアに集まり、さらに優れたファンドを考案しているんです。

その結果、最終的に高い利益が投資家たちに還元されるようになるわけですね。
(もちろん税金を抑えられるオフショアとはいえ、納税はしないといけませんよ!)

ちなみに、日本の銀行もオフショアに投資をしています。
彼らは日本国内から「空前の低金利」で集めた資金をオフショアで高利回りの運用を行い、利益を出そうと考えています。

英国系、スイス系のオフショア銀行にとって、日本の大手銀行・証券会社はお得意様であり大口顧客なんですね。

実際に、15年前に国内最大手の保険会社の支社長との話の中で「運用部に確認したら、そうしているって言っていたなぁ」と聞いたので、これは間違いない話でしょう。

金融商品を組成する上で活用されるオフショア地域ですが、実際に何を元に、どんな地域で運用されているかが重要になってきます。次回はそのあたりに触れたいと思います。

 

■「Zoom In -BALI or Philippinesのリアルな生情報-」

経済成長著しいフィリピンですが、まだまだ貧困層も多くクレジットカード利用率がわずか2.2%と報告されています。(フィリピン中央銀行 2016年)
まだまだ貧困層も多いフィリピンではクレジットカードどころか銀行口座の保有もまだまだ普及していない状況です。

ところが、2020年に入り新型コロナウィルスの感染者がフィリピン国内で増加しはじめると、フィリピン政府は同国全土で長期間におよぶ厳格なロックダウン政策を実施しました。
※フィリピンのロックダウン政策は世界最長で最も厳しいとされています。

こんな事情もあり、ロックダウン政策で買い物や銀行に行くことを制限された多くの人がキャッシュレス決済の利用を開始し、ユーザー数が急速に増加しました。

●GCash
フィリピンの通信会社Globeが運営するモバイル決済サービス。
私もフィリピン滞在中はGlobeのSIMをコンビニで購入して利用しています。
フィリピン最大の電子決済プラットフォームを持ち63,000の店舗とオンラインストアで利用ができます。ユーザー数は2000万人を超え、5月の利用実績も去年の同月と比べて8倍、2020年前半の総取引額も約3倍と成長著しい企業です。

●PayMaya
フィリピンの通信会社Smartが運営するモバイル決済サービス。
。さまざまな事業体と提携しており、電子決済の利用促進を行っています。マクドナルドやケンタッキー・フライド・チキンなどの店舗決済で利用されている「One by PayMaya POS」や金融サービスへアクセスできない人に融資する「Smart Padala by PayMaya」ネットワークを構築しています。タクシーの支払いへのQRコード決済などの導入もSmart Padala by PayMayaで行えます。
(フィリピンではマクドナルドよりジョリビーというフィリピン人好みにあわせたファーストフードチェーンが有名で、そちらは香港のAsiaPayを採用しています。)

今回の新型コロナで利用者が急増したのはGCashの方ですが、PayMayaは別の分野でキャッシュレス支援をしています。

こちらの競合の2社は、強みとする分野がが違うので、フィリピンのキャッシュレス決済の普及自体が2社による「ハイブリッド型」で進んでいく可能性が高いと思われます。

外国人は別としてどちらかというと現金による支払いを好む傾向にあったフィリピンですが、VISAの調査によると7割以上の人が新型コロナウイルスの脅威が去ったあとでも、キャッシュレス決済を利用し続けたい回答しているようです。
筆者:西島