本メールは、週1回程度を目安に以下の3つのパートから情報をお送りさせていただく内容となっております。

  • 「Paradigm Shift -新しい価値観-」
  • 「Unique Asset Management -独自の資産形成-」
  • 「Zoom In -BALI or Philippinesのリアルな生情報-」
 

■Paradigm Shift -新しい価値観-


経済活動がコミュニティをベースに展開されるシーンを最近多く見かけます。
より繋がりを求める時代になってきた証なのかもしれませんね。
日本のみならず各国でも、古くからこのネットワーク経済圏での事業活動が存在しています。
今回は、その中でも協同組合について深堀りしてみたいと思います。

日本における協同組合とは、共通の目的や願いを持った人たちが集まり、自発的に事業を運
営する組織とされており。組合員は出資者であり、事業の利用者でもあり、運営にも参画し
ています。?

協同組合の主な特徴は次のようなものです。
・組合員の生活の向上を目的としており、利潤の追求ではない?。
・出資の額にかかわらず、一人一票の原則で民主的に運営される。?
・国や地方自治体からの補助金や税制優遇などの支援を受けられる。?
・商工組合中央金庫や中小企業事業団などから低利長期の融資を受けられる。?

協同組合は、中小企業等協同組合法や中小企業団体の組織に関する法律に基づき、所管行政
庁の認可を受ける必要であり、年度ごとに関係省庁への届け出も必要です。
日本の協同組合には、JAとしても有名な農業協同組合をはじめとして、漁業協同組合、森林
組合、生活協同組合、中小企業等協同組合、信用金庫、信用組合、労働金庫などがあります。

日本の組合数の総数は約4万2千組織と言われています。
国内の協同組合の単位組合は4万377。 協同組合の連合会は1371あり、両者をあわせた協同組
合は4万1748となります。 国内の法人の総数は385万6457あり、協同組合はその1・1%を占め
ています。

協同組合のメリットとして、以下のようなことが挙げられます。
・国や地方自治体からの補助金や税制優遇などの支援を受けやすい
・商工組合中央金庫や中小企業事業団などから低利長期の融資を受けられる
・共同仕入れなどを通じ、コスト削減や効率化、品質向上などの効果が期待できる

一方で、海外の協同組合がどうかを見ていきたいと思います。

インドネシアの協同組合の総数は21万2135あるといわれている(少し古いですが2015年現在)
そのなかで,15万223,つまり71%が活動している一方で残りの29%は休眠状態です。
同年の協同組合の組合員数は3778万3160人,つまり総人口の約15%程度がメンバーとなって
います。このような大きな規模にも関わらず,協同組合・中小企業省によれば,協同組合は
インドネシアの GDP の1.7%をもたらしているにすぎないという結果も出ています。

Philippinesの協同組合は意外としっかりしており、共同体としての付加価値が高いモデル
となっています。
フィリピン初の協同組合は 1896 年に農産物販売のために設立されました。現在は19,000
以上の協同組合があるとされ、生産と信用貸付、または商品やサービスの生産と提供など、
2 つ以上の事業活動を組み合わせた多目的な事業体となっています。
これらは、Multi-Purpose Cooperative と呼ばれています。

2022 年の時点で、フィリピンには 20,105 を超える登録協同組合があり、農業、金融、消
費財、サービスなどのさまざまな分野で活動しています。これらの協同組合は、コミュニ
ティベースの小規模な取り組みから、より大規模な複数部門の組織まで多岐にわたります。

ミンダナオ島での事業とも関連性の高い、Malapatan Multi-Purpose Cooperative (MMPC)
の活動がわかりやすいかもしれません。MMPCは、フィリピンのサランガニ州Malapatan市に
ある協同組合で、地域の経済的・社会的発展を促進するために設立されました。
MMPCが行っている主要な事業やサービスをみてみましょう。

1. 貯蓄と貸付サービス
MMPCはメンバーに対して貯蓄アカウントを提供し、コミュニティ内での財務安定性を支援
しています。また、メンバーには低利子の貸付サービスも提供しており、これによりメン
バーが必要な資金を利用しやすくしています。貸付金は、教育費用、ビジネス資金、農業
投資など、さまざまな目的で利用されています。

2. 農業支援プログラム
地域の農業従事者を支援するためのプログラムを提供しています。これには、種子や肥料、
農機具の提供や農業技術のトレーニングが含まれます。協同組合は、持続可能な農業の実
践を奨励し、農家の生産性と収益性を向上させるための支援を行っています。

3. ビジネス開発とトレーニング
協同組合は、地域の起業家やビジネスオーナーの能力を高めるためのトレーニングプログ
ラムを実施しています。これらのプログラムは、財務管理、マーケティング、製品開発な
ど、ビジネス運営に必要なスキルを向上させることを目的としています。

4. リテールおよびコンシューマーサービス
MMPCはメンバーや地域住民に対して、小売およびコンシューマーサービスも提供していま
す。これには、日用品や農業資材の販売が含まれており、地域の消費者に手頃な価格で商
品を提供することで、地域経済の活性化を支援しています。

5. 共同購入および流通
協同組合は、共同購入および流通の仕組みを通じて、メンバーのコスト削減を図っていま
す。大量購入や直接取引により、メンバーが商品や資材をより安価に入手できるよう支援
しています。

6. 地域社会の支援とコミュニティサービス
MMPCは、地域社会の発展を支援するためのさまざまな社会貢献活動を行っています。これ
には、教育支援、健康プログラム、環境保護活動などが含まれます。協同組合は、地域の
持続可能な発展を促進するために、社会的責任を果たすことを重視しています。

7. 住宅および不動産開発
一部の協同組合では、メンバーのための住宅開発プロジェクトを手掛けています。
これは、地域の住宅不足に対応し、メンバーの住環境を改善するための取り組みです。

このように日本の協同組合よりも、よりメンバーの経済的・社会的なニーズに応えるため
に、多岐にわたるサービスを提供しているのがわかります。地域社会に与える影響はかな
り大きなものであり、持続可能な発展を促進するための重要な存在となっているようです。

ある意味では国全体としての成長が難しい場合は、このようなコミュニティ経済圏が必要
になってくるのかもしれません。

 

■「Unique Asset Management -独自の資産形成-」


上記でもご案内した、MMPCとは都市間連携事業などで協定をむすんでいるわけですが、
そのMMPCが以前もこのメルマガでもご案内しているマイクロファイナンスやレンディング
のプランを実施しており、外国資本の受け入れも行っているということで、詳細を確認し
たところ、非常に興味深い内容でした。

MMPCは地域社会のメンバーに対して、様々なニーズに応じた貸付サービスを提供している
わけですが、貸付サービスは、メンバーの経済的安定を支援し、個人やビジネスの成長を
促進しています。以下はMMPCの貸付サービスについての詳細です。

1. 貸付金利
月利: 3.5%
MMPCの貸付サービスは、月利3.5%で提供されています。これは、フィリピンの他の多くの
協同組合と比較しても競争力のある利率であり、メンバーが一般の金融機関から借りられ
ないときにもサポートできるように設計されています。

2. 貸付の種類
メンバーの異なるニーズに応じて、以下のような様々な種類の貸付を提供しています。

〇個人貸付
教育、医療、緊急時の支出など、個人の生活費や家計の支出をサポートします。

〇ビジネス貸付
小規模ビジネスや農業プロジェクトの立ち上げ、または既存のビジネスの拡大のための資
金を提供します。

〇農業貸付
種子、肥料、農機具などの購入資金を提供し、農業生産をサポートします。

〇緊急貸付
突発的な事態や災害時に迅速に資金を提供するための貸付で、迅速な審査と短期間での
返済にて対応するものです。

3. 貸付条件
融資金額: 貸付の上限金額はメンバーの信用状況や協同組合の方針により異なりますが、
一般的に小規模から中規模の融資が提供されることが多いです。

返済期間: 貸付の種類によって返済期間は異なります。短期貸付の場合は数ヶ月、ビジネ
スや農業貸付の場合は数年にわたることがあります。

担保の要件: 貸付の種類や金額に応じて、土地や財産を担保に取ることが求められる場合
があります。ただし、協同組合の方針により、担保が不要な場合もあります。

4. 貸付の申請手続き
申請書の提出: 貸付を希望するメンバーは、必要書類と共に申請書を協同組合に提出しま
す。必要書類には本人確認書類、収入証明書、事業計画書などが含まれることがあります。

審査プロセス: 提出された申請書類をもとにメンバーの信用状況や返済能力を評価します。
審査は迅速かつ透明に行われ、メンバーのニーズに応じた最適な貸付が提供されるように
対応しています。

5. 貸付の特徴
柔軟な返済計画: メンバーの収入状況に応じて、返済スケジュールを柔軟に設定できる場
合があります。例えば、農業従事者の場合、収穫期に合わせて返済計画を調整するなどです。

コミュニティ支援の一環としての貸付: 貸付サービスは単なる金融支援ではなく、メンバー
の生活向上とコミュニティの経済発展を目的としています。協同組合の貸付は、利益追求
よりもメンバーの利益を優先する形で運営されているため、地域社会に大きな影響を与え
ることが期待されます。

6. メンバーシッププロファイル
メンバー数: MMPCは7,000人以上のメンバーを有しています。これにより、協同組合は多様
な背景とニーズを持つ多くの人々をサポートしていることがわかります。

MMPCの貸付サービスは、メンバーの経済的安定と地域社会の発展を促進するための重要な
支援策です。本サービスはメンバーの多様なニーズに対応するために設計されており、個人
やビジネスの成長を支援する役割を果たしています。

そんな中、このMMPC自体に資金を貸付け、メンバーへの融資機会を提供するplanも生まれ
ました。【MMPC Joint型 Lending Plan】です。

MMPCは、地域社会の経済的発展を促進し、持続可能な成長を目指していますが、現在、拡
張するメンバーへの各種貸付のボリュームを増やすために、外部の投資家からの資金を調
達しています。

貸付の概要としては以下の通りです。
募集資金: 1口500万円
投資リターン: 年間20%
運用期間: 14ヶ月
資金の送金に1ヶ月
運用期間12ヶ月
返金のための送金に1ヶ月

投資家・融資者からの資金は、MMPCのメンバーに対する貸付金として使用されます。
年間20%という高い収益率の確定リターンで、しかも1年(14か月)という短期間です。
また、この出資を通じて、フィリピンの地域社会の発展と経済的安定を支援で切るという
ものです。
厳格な審査プロセスと保証金制度を導入してリスクを最小限に抑えているのも大きな特徴
です。メンバーへの融資のため個人情報を管理しつつ、時には担保設定も設け、一番の課
題であるデフォルトリスクを極限まで排除できているのもポイントが高いと思います。
メトロマニラでのレンディングは飛ばれる可能性もあるので、その点では非常に安定感は
あると思います。

申込のプロセスは以下のようになっているようです。
投資申込書の提出
資金の送金(1ヶ月)
資金運用(12ヶ月)
リターンの受け取り(送金期間1ヶ月)

ご希望の方はMMPCへご紹介します。詳細のプランや情報などを取得されてみてご判断して
みられると良いかと思います。

 

■「Zoom In -BALI or Philippinesのリアルな生情報-」


近年、ECサイトを利用した買い物が主流になってきていますが、その中でもライブ配信を
通じて商品を購入する”ライブショッピング”がインドネシアでも増えています。

日本でもライブショッピングを通して商品を購入する人が増えており、Instagramのライブ
配信を通じて商品購入に至った経験がある人もいるのではないでしょうか。
また、インドネシアにおいてもライブショッピングは買い物の一つの手段として浸透して
きています。今回のコラムでは、インドネシアのライブショッピング事情についてご紹介
します。

インドネシアの調査会社Good Stateがインドネシア全土300人に行った調査によると、調査
対象者のうち48.7%の人々が月に数回ライブショッピングをしていることがわかっています。

また、回答者のうち22.7%は週に数回ライブショッピングをしており、約70%の人々は月に
1回以上ライブショッピングをしています。インドネシアにおいてライブショッピングが一
般的になっていることがわかります。

インドネシアで人気のライブショッピングのプラットフォームは、1位がTikTok Liveで回
答者の56%の人が利用しています。次に人気があるのがインドネシアの大手ECサイトShopee
が運営するShopee Liveで33.3%の人が利用しており、Lazada(2.3%)と続きます。

インドネシアにおけるライブショッピングのプラットフォームとして、TikTokとShopeeが
圧倒的な人気を誇っていることがわかります。

また、調査会社IPSOSの調査によると、販売者側が好むライブショッピングのプラットフォ
ームランキングは上記と異なり、Shopee Liveを利用して配信するのを好む割合が72%で、
TikTok Liveが26%となります。Shopee Liveは大手ECサイトを運営するShopeeのライブコ
マースのため、信頼度が高いようです。

消費者と販売者では、好まれているプラットフォームに違いがあることがわかります。

ライブショッピングを利用する理由として一番多いのは、「より安く商品を購入するため」
と答えた人が49.8%を占めています。
その次に「割引特典を利用するため」という理由が続きます。
また、ライブ配信をすることで、販売者と距離が近くなるためその点もライブショッピン
グを利用する理由となっているようです。

ちなみにライブショッピングを通して購入される商品の種類で一番多いのは、衣料品・ア
クセサリーとなっています。

オンラインショッピングだけでは、実際に着用したときのイメージがつきにくいですが、
ライブショッピングではモデルが試着している様子をライブで見ることができるため購入
に繋がりやすく、ライブショッピングならではの良さと言えます。

ライブショッピングを利用する時間帯として一番多いのは、18時?22時の夜の時間帯で
次に多いのは、22時?深夜2時の時間帯となっています。
仕事帰りや学校帰りのくつろいでいる時間帯に、ライブ配信を視聴し買い物をする人が
多いようですね。

また、ライブショッピングの所要時間は比較的短く、回答者の65%が30分未満しかライ
ブ配信を視聴しないことがわかっています。ライブショッピングを配信する側は、この
ような消費者の特徴を加味して配信する必要があると言えます。

今回のコラムでは、インドネシアのライブショッピングについてご紹介しました。
インドネシアの人々にとってライブ配信を通して商品を購入するライブショッピングは
非常に人気が高いことがわかりました。今後、インドネシアで商品を販売する際は、
ライブショッピングという方法も視野に入れておくことは非常に重要であると言えます。

インドネシアの様々な分野における市場調査、現地視察を行っております。
また、現地にもインドネシア人スタッフが多く在籍しており、インドネシアの最新情報
を得ることができます。
(出典:弊社インドネシア総合研究所)