本メルマガは、週1回程度を目安に以下の3つのパートから情報をお送りさせていただく内容となっております。

  • 「Paradigm Shift -新しい価値観-」
  • 「Unique Asset Management -独自の資産形成-」
  • 「Zoom In -BALI or Philippinesのリアルな生情報-」
 

■Paradigm Shift -新しい価値観-


先ほどSingaporeから帰国しました。
今回のbusiness tripはかなりエキサイティングなものとなりました。

今回は資金調達と新しい金融システムを紹介してもらうのが目的だったわけですが、それに
してもSingaporeの金融はstrategyが格段に違います。
ガチガチに堅めて投資家、資本家の保全をしつつも信じられないほどの利益を生み出す。
資本が富を創るわけです。金融立国の所以だということを改めて認識しました。

金融センターとして注目が集まったのは2020年で、アジアにおける金融センターとしての香
港に激震が走ったためです。2020年6月30日に香港で香港国家安全維持法が施行されました。
香港におけるビジネス環境は不透明さが増すという憶測が流れ、香港の地位が地盤沈下して
その受け皿になったのがSingaporeというわけです。
これは、実績のある元バンカーの方とのmeetingでも、中国との間でいろいろ問題のあった香
港moneyがSingaporeに流れてきてることもリアルに感じた次第です。

実際に旅行ではない滞在をしてみて、円が弱いことと、Singaporeの一人あたりのGDPが高い
ことを強く感じたわけですが、3人で食事をしても軽くSGD150で16000円ぐらいはいきますし、
GRABを利用しても迎えに来る車がBMWやAudiだったりします。
※Singaporeドルは8月24日現在で1ドル=約111円

ということで、Singaporeがどんなところか改めて振り返りたいと思います。

いわずもがなですが、教育、娯楽、金融、ヘルスケア、人的資本、イノベーション、物流、
製造・技術、観光、貿易輸送などあらゆる分野で世界的な中心となっています。
多くの国際ランキングで上位に格付けされていて、最も「テクノロジー対応」国家(WEF)、
国際会議のトップ都市(UIA)、世界で最もスマートな都市である「投資の可能性が最も高
い」都市(BERI)、世界で最も安全な国、世界で最も競争力のある経済、腐敗の少ない国3位、
外国為替市場3位、金融センター3位、石油精製貿易センター3位、革新的な国5位、混雑する
コンテナ港湾2位などを獲得しています。

2013年以来『エコノミスト』では、「最も住みやすい都市」として格付けしているくらいです。
経済平和研究所によると、世界平和度指数で9位、汚職の少ない国として12位にランクインし
ています。

さらにはSingaporeはアジアで唯一、全ての主要な格付け機関からAAAを持つ国家であり、世界
11か国のうちの1つでもあります。世界的にはシンガポール港とチャンギ国際空港がそれぞれ
「マリタイムキャピタル」と「ベスト空港」のタイトルを連続して獲得しています。

また、2024年8月19日時点の国際通貨基金(IMF)による世界の一人当たりGDPランキングでは
Singaporeは5位にランクされており、2022年時点で82,807 USDとなっています。

ちなみに、同年での比較で、
日本、    33,823 USD
インドネシア 4,788 USD
フィリピン  3,498 USD
となっています

ダントツで、アジア諸国の中ではトップクラスです。そりゃ食事代にも反映されますし、
日本ではいわゆる高級外車でのGRABも存在するわけです。

成り立ちとして、第二次世界大戦中の1942年には、一時的に日本による占領下に置かれました
が、終戦後はイギリス統治下に戻り、1963年にマレーシア連邦へ加盟しますが、マレー人優遇
政策を進めるマレーシア中央政府と、平等政策を進めたいシンガポールとの間で対立が生じ、
1965年にSingaporeはマレーシア連邦から切り離される形で独立することになります。

独立後、初代首相のリー・クアンユーの指導のもとで、経済発展を成し遂げました。水などの
資源も乏しい小国であった故に、外資誘致と外国人受け入れを背景とした製造業や金融業を中
心とした経済政策を進めた結果、国内総生産(GDP)は急速に成長し、2007年には1人当たり
GDPが、3万5,000ドルを超え日本(当時約3万4,300ドル)を抜くなど、経済的な成功を収めた形
となりました。

経済・金融の側面では、国土面積が東京23区よりもやや大きい程度にも拘らず、2023年5月末時
点で643社が上場しており、時価総額も約83兆円と東南アジアとしては最大規模のマーケットで
あることも特徴です。
時価総額が大きい企業のトップはDBS銀行、OCBC銀行、UOB銀行とメガバンク3行が占めており、
Singaporeにおける金融業の強さが見て取れます。
また、法人税が17%と世界的に見ても低率であることや、株式や不動産などの売却益であるキャ
ピタル・ゲインが非課税であること、ビジネスとして英語が日常利用されることも世界でも有
数の金融センターになった背景となっています。

また資源が乏しいからこそ人的資本へ集中的に投資を行ってきたことに加え、変化が容易な小国
であることなど、弱みを強みに上手く転換できたことなども今のSingaporeを創り上げた要因と
なっているようです。

私が常日頃言っている個人や中小企業のグローバルスタンスでも、ここSingaporeは上手に活用
すべき国と位置づけられます。ただ、これもその国における最良のネットワーク、言い換えれば
信頼のおける人的資源がないと実現は難しいと思います。
これをもたらしてくれるのもまた、人様からのご縁です。通常なら出逢うことない貴重なご縁を
頂いたことに感謝をしながら次なる展開に向けて進んでいきたいと思います。

 

■「Unique Asset Management -独自の資産形成-」


せっかくですので、今回頂いた貴重な金融の仕組みにも触れながら、Singaporeの金融について
深堀していきたいと思います

Singaporeでは、2021年には金融サービスの純輸出額が265億ドルでした。ちなみに香港は154億
ドルです。国際金融センター指数を見ると、2022年9月にシンガポールは香港を逆転してその後
は3位を維持しており、ニューヨーク、ロンドンに次ぐ金融センターに位置づけられています。

そして、金融センター・シンガポールの成長戦略はフィンテックです。ASEAN諸国においてフィ
ンテックのスタートアップが調達する資金のうちシンガポールが過半を占めているといわれてい
ます。
フィンテックの具体的な中身は分散型台帳技術を活用したデジタル資産の決済、生成AIを活用し
た保険テック、グリーンファイナンス、カーボンクレジットなどまさに私が取り組んでいるビジ
ネスとの親和性の高いものばかりです。

実は東京都は成長戦略として東京の金融センターとしての地位上昇に取り組んでいるといわれ
ています。その方策としては、ロンドンが取り組むようなオフショア人民元ビジネスではなく、
参照すべきはフィンテックを推し進めるSingaporeがモデルになるのではとも言われています。

前回のメルマガで、「PPP」※について触れましたが、これを運用する際のschemeというものも
必要となります。
※一定の条件をクリアした方にだけ参加できる特別な運用。
メルマガ228号の概要をご確認ください。

Singaporeでは、変動資本会社=Variable Capital Company:VCCといわれるschemeが、2020年1月
に導入されました。これは、ファンド向けの新たな会社形態です。変動資本会社法(VCC法)
に基づいて設立され、信託やリミテッド・パートナーシップなどの他のファンドスキームより
も運用上の柔軟性を有しています。あらゆるタイプの集団投資スキームに活用でき、単独の
ファンドとして設立することも可能です。
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VCCは税務上、会社および単一のグループとして扱われます。シンガポール内国歳入庁(IRAS)
に提出する必要があるのは1セットの所得税申告書のみで、法人所得税の目的で会社として扱
われます。また、所得税法のセクション13Rおよび13Xに基づく適格投資所得に対する免税を享
受しているので、いわゆるTAX FREEを実現しています。

このスキーム自体がMonetary Authority of Singapore(MAS)、シンガポールの中央銀行であ
り、金融規制当局がlicenseした適格投資家(fund)となるため、ある意味では直接の監督下
から外れるため、自由度高い運用とTAX FREEを可能にしています。
ある意味ではこれはシンガポール国内のみならずアジア太平洋地域における資産運用業界にも
大きな変化をもたらしています。

この変動資本会社=Variable Capital Company:VCCについてさらに詳しく知りたい方は、以下
のPWC社がまとめているPDFをご覧になってください。
閲覧はこちら

PwC(プライスウォーターハウスクーパース)は、世界最大級のプロフェッショナルサービス
ファームで、会計、税務、コンサルティング、ディールアドバイザリー、法務など幅広い領域
のサービスを提供しています。世界157カ国に関連会社を展開し、364,000人以上のスタッフを
擁しています。

と、いうことでこのVCCが組成できるfund会社の代表はじめ役員の方々とのmeetingもできたこ
とで、あらたなネットワークができました。これにPPPを組み合わせることで、次々と大型の
Projectを行う際に必要となる資金需要に応えるschemeの出来上がりです。

資本があらたな富を創る。日本では金融庁が認可しないことからも、ほぼ聞くことのない仕組
みだと思いますが、日本の常識を疑ってかかることから、世界の常識に触れることができる
のだと改めて認識しました。

 

■「Zoom In -BALI or Philippinesのリアルな生情報-」


インドネシア投資調整庁(BKPM:Badan Koordinasi Penanaman Modal)をご存じですか?
インドネシア共和国大統領直属の政府機関であり、規則に基づいて投資に関する政策の実施や
サービスの調整を行い、国内外からの投資を増やすだけでなく、インドネシア経済を牽引し、
質の高い投資を求めることを目的として活動している機関となります。

インドネシア投資調整庁WEBサイト
https://bkpm-jpn.com/

このインドネシア投資調整庁さまにも会場提供および開会のご挨拶などのご協力もいただき、
Indonesia Linkage Club主催にて、

【中小企業でも実現できるインドネシアビジネス】

と題して、実際にインドネシアで展開されている事業などを実例に、普段明かされることのな
い細かい部分までお伝えします。お時間ある方は是非ご参加ください。

【こんな方におすすめ】
・インドネシア市場の開拓に興味がある方
・インドネシアにビジネス進出を検討している方
・インドネシアの事業案件や不動産に投資をしたい方

【セミナー概要】
「中小企業でも実現できるインドネシアビジネス展開」
●ビジネスモデル
●インドネシア通貨で収益化する方法
●戦略的M&Aの手法

主催:一般社団法人インドネシアリンケージクラブ
協力:インドネシア投資調整庁(BKPM)
https://bkpm-jpn.com/2024-9-6sme/

・日時:2024年9月6日(金曜)13:00~15:00 懇親会18:00~(予定)
・場所:インドネシア投資調整庁(BKPM)セミナールーム
東京都千代田区内幸町2-2-2 富国生命ビル16階
・参加費:1,000円 ※予約時に事前決済となります。

● 都営地下鉄三田線「内幸町」駅 A6出口・・直結
● JR山手線・京浜東北線・東海道本線「新橋」駅 日比谷口・・徒歩6分
● 東京メトロ千代田線・日比谷線「霞ヶ関」駅 C4出口・・徒歩3分
● 東京メトロ丸ノ内線「霞ヶ関」駅 B2出口・・徒歩5分

公式LINEご登録後にセミナーのお申込みが可能となっております。

【公式LINE】
https://line.me/ti/p/%40938uddpp
【HP】
https://www.indonesia-clubs.com/

 

【セミナー概要】

開会挨拶
?モハマド・リファナ氏
インドネシア投資促進センター東京事務所 所長 

第一部 インドネシア市場について (40分)
第二部 インドネシア中小企業に対する戦略的M&A (15分)
第三部 投資家と事業家の目から見たインドネシアの実態 (15分)
Indonesia Linkage Clubの紹介  (10分)
Q&Aセッション(質疑応答タイム)(20分)

● GUEST SPEAKER
?アルベルトゥス・プラセティオ氏
株式会社インドネシア総合研究所 代表取締役
一般社団法人インドネシアリンケージクラブ代表理事

?佐々木 卓 氏
株式会社プランニングネットワーク 代表取締役
一般社団法人インドネシアリンケージクラブ理事

?遠藤 周作 氏
株式会社Rooom 代表取締役

●第一部 インドネシア市場について
(インドネシア総研代表 アルビ―)

1.インドネシア市場の可能性
インドネシアでは人口の拡大が進み、2023年時点で2億7千万人以上の人口を超えています。
平均年齢も29歳と非常に若く、若い労働市場として海外から注目を集めています。インド
ネシアの”ヒト”の部分の可能性を中心に、インドネシアの今後の可能性について、先日
の大統領選挙の結果や、新幹線などのインフラ開発などについても触れながらご紹介いた
します。

2.具体事例
”ヒト・モノ・カネ”という視点で見た場合、インドネシアは若い労働力を抱えています
が、今後さらにインドネシアの市場が成長していくためには、資金と技術も必要です。
インドネシアにおける事業の具体例として、学校事業、ピラティス、飲食店などの実績を
ご紹介いたします。

3.実際の進出方法、ジョイントの仕方、法人設立方法
(インドネシア総研代表 アルビ―)

●第二部 インドネシア中小企業に対する戦略的M&A手法
(株式会社Rooom 遠藤 周作)

1. 中小零細企業のM&A・資金調達プラットフォームを提供する株式会社Rooomのプロダクト
「FA Room」がインドネシアに進出する意義について語ります。

2. インドネシアにおけるM&A事情、中小零細企業に注目する理由、実際の案件に基づくM&A
等の留意点について解説いたします。

●第三部 投資家と事業家の目から見たインドネシアの実態。
(株式会社プランニングネットワーク 佐々木卓)

1,マーケティング的観点からのインドネシア
Philippinesにて不動産事業と進出支援を、Baliにてリゾート不動産事業を行っている
プレイヤーサイドからのインドネシアマーケットがどういうものかを解説。

2,事業性としてのインドネシア
主にジャワ島はじめBali以外のインドネシアにおける不動産事業の実態と、売り建てと言わ
れる事業投資方法から、戸建投資について。
また、人材事業としての日本語学校事業の全容を解説。ただの人材事業ではなく高収益事業
かつ、中長期が描ける事業としての可能性。
視察ツアーにおける着眼ポイントなどをお伝えしていきます。

お時間調整のうえ参加いただき、この機会に生のIndonesiaビジネスの情報をご収集ください!