本メルマガは、週1回程度を目安に以下の3つのパートから情報をお送りさせていただく内容となっております。

  • 「Paradigm Shift -新しい価値観-」
  • 「Unique Asset Management -独自の資産形成-」
  • 「Zoom In -BALI or Philippinesのリアルな生情報-」
 

■Paradigm Shift -新しい価値観-


世界の金融市場が動揺するきっかけとなったアメリカの銀行破綻からまもなく1か月。
株式市場などは落ち着きを取り戻しているかのように見えますが、実際はどうなんですかね??
ひそかに進行しているのではと、ニューヨークの市場関係者の間でささやかれているらしいのが、住宅市場の冷え込み
を伴う新たな銀行危機だというのです。

ある日のアメリカの新聞記事に「住宅市場 西の価格下落、東の高騰」と掲載されました。
東海岸の都市では不動産の価格が上昇を続けるものの、西海岸の都市では下落が目立つという記事でした。サンフラン
シスコ、サンノゼのことし1月の住宅価格は、前の年の同じ月と比べて軒並み10%を超える価格下落となっています。

2007年に突如、起きたサブプライムローン危機。右肩上がりだったアメリカの住宅価格が西海岸から崩れていき、複雑
な証券化商品の価格が急落し、金融不安、そしてリーマンショックへとつながっていきました。
リーマンショックのときと比較してどうでしょうか?

住宅市場の変調は、中古住宅の統計にも現れています。
2023年3月21日に発表された2月の中古住宅価格の中央値は、前の年の同じ月と比べて0.2%の下落と、11年ぶりの下落に
転じたのです。2012年3月から10年11か月もの間、価格上昇を続けてきたこと自体が驚きですが、住宅市場の潮目が変わ
ったように感じます。

3月9日のわずか一日で420億ドル、日本円でおよそ5兆5000億円もの預金が急速に流出したわけですが、財務省やFRB=連
邦準備制度理事会など金融当局は、すぐさま経営破綻した2つの銀行の預金の全額保護に乗り出すなど対応策をとり、今、
金融市場は落ち着きを取り戻しているかのように見えます。

しかし、ウォール街では、一気に危機が広がることは避けられたとしても、ゆっくりと、真綿で首を絞められるような
危機が忍び寄っているのではないかと懸念の声が聞かれます。

そして、ウォール・ストリート・ジャーナルは「スローモーション型の銀行危機」と書いています。
中堅、中小の銀行はこれまでの金融不安による預金流出に加えて、驚異的な速度の預金流出への恐怖から、企業や個人に
「貸し渋り」を行う可能性が指摘されています。そうなれば、企業や個人が資金を調達しにくくなって景気は悪化します。

ここに住宅価格下落という要素が加わると、住宅を保有する人たちの資産価格が下落し、消費が落ち込むという逆資産効
果が起きて、景気をさらに冷え込ませることも起きえます。こうした経済の変化はえてして、じわじわと起きがちなため、
「忍び寄る」危機となるのです、

今回の金融不安の前は、アメリカが景気後退に陥ったとしても深刻なものにはならないとの見方が多くありましたが、
ゆっくりとした危機は、景気後退の底を深くするおそれがあるとの指摘も聞かれます。

FRBが2022年3月に利上げに転じてからこの1年、ウォール街で言われたのが、“Bad news is good news”という言葉です。
景気の悪化を示すような経済指標が発表されても、それによって利上げのペースが鈍れば景気にはプラスになると市場が
受け止め、株式の買い注文の材料になることが繰り返されてきました。

しかし最近は、市場の雰囲気は“Bad news is bad news”に変わりつつあると言われています。
それでも、ゆっくりと景気が減速していくのであれば、インフレ抑制を目指すFRBにとっては想定どおりなのかもしれませ
んが、2007年のサブプライム危機のときのように、堰を切ったような急流にならないことを願うばかりです。

長期にわたる未曽有の金融緩和に記録的なインフレ、そして急速な利上げという異様な環境にいる今、その立ち位置を今
一度理解し、周りに流されずに市場を判断しないといけない時代になっていますね。

 

■「Unique Asset Management -独自の資産形成-」


4月・5月に、延べ55日の間、BaliをベースにIndonesiaとPhilippinesに滞在します。
海外でのビジネスや所得を構築している方々とのやり取りを重ねることで、再度認識したことがありました。

それは、外貨による収入の複線化を実践していくことが将来の安定にもつながっていくこと言うことです。

メルマガ131号でも関連記事を記載させて頂いてますが、生活・投資・資産保全・人生の過ごし方を世界の中でバランスを
とりつつ、様々なリスクに対応できるようにしていく考え方である「グローバルスタンス」。
「仕事の自由」「通貨の自由」「国境の自由」というように私は提唱させていただいています。この「グローバルスタンス」
のもともとの考え方というのは、オーレンロースさんというユダヤ系のファイナンシャルコンサルタントの方が提唱してい
る、ある理論に基づいています。

その理論というのがPTMC理論(Portable Occupation Theory with Multi-Currency and Cross-Border Scheme)です。

グローバルスタンスは3つの軸で構成されています。
1つ目は「ポータブルオキュペーション」・・・131号で触れさせていただきました。
2つ目は「マルチカレンシー」
3つ目「クロスボーダー」

Multi-Currency(マルチ・カレンシー)というのは、端的に言ってしまうと複数口座を持つことです。
ここで言っているのは、口座というより、通貨を持つということになります。
これは日本から外貨投資をするのではなくて、その国々での通貨を持つということです。

例えば基軸通貨としてドルが挙げられますが、私自身が持っているのはフィリピン・ペソやインドネシアルピアとなります。
自分の日本円をいくつかの通貨に振り替えて、保有通貨を分けておくということが非常に重要です。

さらに当該国で事業やビジネスを行いながら収益を上げる、すなわち収益の複線化を図りながら、不動産などの保全資産を
厚くしていく。今まさに、円に対してその国の通貨価値がどんどん上がっているわけで、そこに年々上昇する不動産の価値
が掛け算されるわけです。
掛け算で資産が増えるような状態になりますから、そういった効果も狙って成長性のある国の通貨を持つということも、私
はこの中に組み入れています。

3つ目のCross-Border(クロス・ボーダー・スキーム)ですが、これは国境を超えさせるということになります。
端的に言うと、1つの国ですべてをおこなうのではなく、それぞれの良いとこ取りを、いろんな国で行っていくというのが、
Cross-Border Schemeということなんです。
例えば、教育が良い国、資産を運用するのに良い国、資産を守るのに適している国、不動産をするのに適している国、自分が
住むのに適している国など、実はそれぞれ国の良さはポイントや見え方によって全然違ってきますよね。

もう一つ例を挙げると、日本は地震の多い国です。
なので、震災が起きてしまった場合でも、海外に別荘などを持っていれば、そこにすぐに飛んでいけたりします。
こういったことも、有事の際に備えた資産保全のやり方として挙げられると思います。

文字だけで見ると、当たり前のことのように感じますが、Cross-Border Schemeの意識がない方は「いずれ海外に資産を保有し
よう」という、目標で終わってしまいます。ですが、普段から「国境を越えた資産のポートフォリオ」を考えていれば、先の
ことを見据えた資産保全という意識に変わり、早い段階から着手することができるわけです。

まさに転ばぬ先のなんとやら。気付いた時が変化の時です。経験することでしか、手に入らないものがたくさんありますね。

 

■「Zoom In -BALI or Philippinesのリアルな生情報-」


今年インドネシアでは、3月22日(火)から4月21日(金)がラマダン期間となり、インドネシアのイスラム教徒の人々は断食
を行います。今回は、イスラム教徒のラマダン(断食)の目的について、ご紹介していきます。

ラマダン(断食)とは
ラマダンはイスラム教徒の義務のひとつで、ラマダン期間の約1ヶ月間、日の出から日の入りまでの時間飲食を断ちます。
また、飲食だけでなく、悪口、嘘、揉め事、欲望、性行為も断ち、ラマダン期間中は普段以上に良い振る舞いをすることが推
奨されています。

ラマダン期間中は、日の出から日の入りまでの間、飲食を断つため、普段より早く起き、日の出前に家族でご飯を食べます。
これを「サフール」と呼びます。そして、サフールを終えると、日の出前のお祈りを行います。

日中は普段通りに生活を行いますが、いつもよりは活発には動きません。
また、日中にもお昼のお祈り(ズフル)、午後のお祈り(アサル)の2回お祈りがあります。

日の出から、飲食を断ち、次に飲食ができるのは、日没後です。
日没後、「イフタール」という軽食を取り、日没後のお祈り(マグリブ)を終えると、再度食事を取ります。
夜ご飯を食べ終えると就寝し、また日の出前に起床する、という生活を送ります。

ラマダン期間中は、イスラム教徒が多い地域の飲食店は日中殆ど開いておらず、店頭に布がかけられているのをよく目にしま
す。反対に、夜になるといつもは早く閉めるお店が深夜まで営業していたり、街に露天が並んだり、お祭りのような雰囲気に
なります。

ラマダンの最も重要な目的は、神様に近づき、自身の信仰心を清めることです。
ラマダン期間中は、欲を捨て、身も心も一番綺麗にした状態で、神様への献身と奉仕に没頭します。

また、ラマダンに入る前には、1年間の過ちを謝り、身も心も清めるという習慣があり、インドネシア語で「Mohon maaf
lahir dan batin.(すべての罪をお許しください。)」という言葉と共に、友人、家族、先輩、後輩に挨拶をします。
また、両親に挨拶をするために、ラマダン前に実家に帰省するという習慣もありますが、遠方で帰省できない場合は、電話や
チャットで挨拶をするようです。

参考WEBサイト:https://www.jccme.or.jp/11/pdf/2019-09/know-1906.pdf

上述の目的の他に、ラマダンにはその他の目的もいくつか存在します。

恵まれない人の気持ちを理解する
ラマダンの期間を通して、生活が困窮し、食事ができない人の気持ちを理解し、その様な人たちを助ける気持ちを忘れないよ
うにすることも、ラマダンの目的です。

自立心を育てる
ラマダンを円滑に行うには、自分自身の欲望を抑える必要があり、またお祈りの時間の管理も必要になります。
その様なことを通して、他人に依存することなく自立した精神を育てることも目的の一つです。

健康維持
ラマダンの期間中は、通常より食べる量が減り、体の中の不純物を出す手助けにもなります。
ラマダンの期間を通して、1年間の体内にたまった毒素を出し、健康維持にも繋げていきます。

相互扶助の精神の強化
イスラム教徒の連帯感を高め、互いが助け合うことも、目的として教えられています。
ラマダン期間中、恵まれない人々に食べ物や飲み物を分け合う、という行為はよく行われています。

道徳的精神を身につける
ラマダン期間中は、食べ物や飲み物を我慢するだけではなく、嘘をつくことや、揉め事を起こすことも禁止されています。
その様な行いを抑制し、自分自身を見つめ直すことで道徳的精神を身につけることも、ラマダンの目的です。

このようにラマダンは、ただ飲食を経つという事だけではなく、様々な目的があるということがわかります。

ラマダンは心も体も浄化し、神様の元で1年の振り返りを行う、イスラム教徒にとって非常に重要な期間であります。
そのため、ビジネスの商談等で渡航される場合は、できればラマダン期間を避けた方が賢明かもしれません。

ラマダン期間中に渡航する場合は、匂いのする食事を現地の修行中の人の目の前で食べないようにするなど、イスラム教徒の
人を尊重し、思いやりを持った行動をとることも我々日本人ができることの一つですね。