本メルマガは、週1回程度を目安に以下の3つのパートから情報をお送りさせていただく内容となっております。

  • 「Paradigm Shift -新しい価値観-」
  • 「Unique Asset Management -独自の資産形成-」
  • 「Zoom In -BALI or Philippinesのリアルな生情報-」
 

■Paradigm Shift -新しい価値観-


信託ってご存知ですか?

信託とは、委託者が信託行為(例えば、信託契約、遺言)によってその信頼できる人(受託者)に対してお金や土地、建物などの財産を移転し、
受託者は委託者が設定した信託目的に従って受益者のためにその財産(信託財産)の管理・処分などをする制度です。

最近、家族信託というものが広がっており、最近ではいろんな銀行もサービス提供していますね。
一般社団法人家族信託普及協会によると、『資産を持つ方が、特定の目的(例えば「自分の老後の生活・介護等に必要な資金の管理及び給付」等)
に従って、その保有する不動産・預貯金等の資産を信頼できる家族に託し、その管理・処分を任せる仕組みです。』と定義されています。

【相続】も【争続】と表現されるように、承継問題を事前に解決しておかないとその後の一族間に大きなしこりを残す原因にもなります。

ちなみにこの「信託」の制度の始まりは、イギリスの教会が行っていたスキームが発祥ともいわれています。
中世のイギリスで利用されていたユース(use)というものがあります。イギリスでは当時、自分の死後に教会に土地を寄進する慣習があり、それを
法律で禁止されたことに対抗する形で生まれたものがユースでした。
これは、「信頼できる人に土地を譲渡→そこから得た収益を教会に寄進してもらう」というもので、自分または他の人の利益のために、信頼できる人
にその財産を譲渡する制度だったのです。

ユースは、十字軍の遠征でも、参加した兵士たちの間で、国に残してきた家族のために利用されたといわれています。
さらにユースは、時代の変遷を経て、近代的な信託制度へと発展しました。また、人と人との信頼関係に基づくものであることから、信頼を意味する
「トラスト(Trust)」という言葉で呼ばれるようになりました。

委託者・・・財産保有
受託者・・・委託者から財産運用管理を受託
受益者・・・受託者が運用管理している財産からの利益受取

このような関係性で行います。

あらかじめ財産分与を行うことで争続をなくし、資産を目減りさせず継承させていく仕組みを作ることも可能です。日本にはまだまだなじみのない制度
ですが、金融知識が少しずつ発達し、リテラシーが上がってきている今、必要になってくる情報だと思います。

 

■「Unique Asset Management -独自の資産形成-」


今回はPhilippines不動産についてみてみたいと思います。

○個人の外国人は土地を所有できない
フィリピンでは個人の外国人による土地の所有が認められていません。戸建住宅は登記が建物と土地とに別れていないため、日本人による投資対象は、
コンドミニアムかタウンハウスなどの集合住宅になります。

ただし、外国人が購入できる集合住宅は1棟あたり全戸数の40%までと制限されています。

なお、海外の法人はフィリピンの土地を所有できますが、資本の60%以上をフィリピン資本が占めていることが条件です。また、フィリピン人の名義貸し
などは処罰対象となるため、推奨されません。

○フィリピン不動産投資でかかる税金
外国人がフィリピン不動産投資で収益をあげると、個人所得税が課税されます。外国籍の居住者または外国籍の非居住者(滞在期間180日以上)の場合は、
税率は国内源泉所得に対して5%~32%です。

滞在期間180日未満の外国籍非居住者の場合は、所得税率は国内源泉所得に対して一律25%となっています。
さらに、税金管理の委託手数料として、家賃の1ヶ月分または10%程度の支払いが必要です。

一方、不動産の売買時には、以下の表の内容で税金が課税されます。

税金の種類      税率
印紙税       1.5%(売買価格か市場価格の高い方に課税)
不動産移転税    約0.75%(売買価格か市場価格の高い方に課税)
キャピタルゲイン税  6%(売買価格か市場価格の高い方に課税)
付加価値税    12%(約320万ペソ以上の物件に課税)

○人口増加に伴う住宅需要の拡大を見込める
フィリピンの人口は2014年7月27日に1億人を突破しました。
国連等の推計によると、2030年には1億1,000万人、2040年には1億2,000万人、2050年には1億2,700万人になり、 2091年まで増加し続けると予測されています。
人口が増加しているエリアでは住宅需要拡大の期待が大きいものです。フィリピンでは長期的に住宅需要が拡大し続けると予測されます。

また、フィリピンは年齢の中央値が2020年予測値で24.1歳と若いのも明るい材料です。若年人口が多いエリアは生産年齢人口も多いため、住宅の賃貸需要が
拡大していきます。

メリットばかりではないPhilippines不動産。以下にデメリットも記載します。

○プレビルドのコンドミニアムには竣工リスクも
日本人投資家にとって、フィリピン不動産投資の主要な選択肢はコンドミニアムです。
また、フィリピン不動産投資におけるコンドミニアムは、新築物件がその大半を占めています。

新築コンドミニアムは、建設工事の途中で売り出されるのが一般的です。海外不動産投資では、未完成物件のことを「プレビルド」と呼びます。
プレビルドの投資物件は、発売間もない段階では特に、割安に購入できる点が大きなメリットです。

しかし、建設工事が途中で中断されてしまうリスクも持っています。プレビルドの物件で工事中断されてしまうと、工事が再開される見込みはとても薄いもの
です。結果的に物件の引き渡しを受けられず、支払い済みの資金を回収できなかった失敗も、過去には多数発生しています。
フィリピン不動産投資で竣工リスクを下げるためには、売主となるデベロッパーを慎重に見極めることが重要です。

○不動産会社の見極めが難しい
フィリピン不動産投資では、特にデベロッパーなど不動産会社を見極めて物件を選ぶ必要があります。しかし、フィリピン不動産のデベロッパーは、客層に
よってグループ会社を分けていることもある点に要注意です。
大手デベロッパーのグループ会社であっても、低所得者層向けの住宅を主として供給している会社もあります。低所得者層向けの物件は、建物の質がそれなり
であることもめずらしくありません。建物の質がよくない物件では、後々修繕費用などのコストが重くなり、キャッシュフローが残らないことも考えられます。

○都心の高級物件では空室リスクに要注意
日本など先進国と比較するとまだまだ物件価格が安いフィリピンですが、特に首都マニラの中心部では、すでに都市開発がかなり進んでいます。
このため、都心の高級物件では価格が高いものも増えている点に要注意です。価格が高い物件では家賃も高額に設定しないと、利回りを確保できません。
しかし、高額な家賃を払える入居者は限られています。結果的に空室期間が長期化し、損失を拡大することもめずらしくありません。発展著しい新興国では
高級物件が建設されることもあります。その際、本当に富裕層や外国人駐在員の賃貸ニーズを取り込めるのか、事前の検証が重要です。

これらを踏まえた新しい投資戦略としては、

◆中古・セカンドマーケットの不動産を狙う
銀行や貸金業者からの抵当流れの物件を仕入れてリノベーション物件をローカル向けに貸し出し

◆信用ある会社が底地の土地を押さえた状態での戸建開発物件
土地の権利をもてない外国人投資家向けに、銀行関連企業が土地を押さえ、そこに開発を行った戸建開発物件を25年のリース契約を行い、
ローカル向けに賃貸。最終的には賃借人に土地ごと売却を行う。資金のないローカルの方は銀行融資にて購入可能。

これからの新しい投資スタイルになりそうですね。

 

■「Zoom In -BALI or Philippinesのリアルな生情報-」


ほとんどの日本人は東南アジアといえば、どこもかしこも一律に暑いというイメージがあり、年がら年中暑いんだろう
なという感覚があるのではないでしょうか?

最近はバランスが崩れつつはあるものの日本には四季があります。
一方、南方の熱帯や亜熱帯には四季の代わりに雨季と乾季が存在します。
乾季は熱帯や亜熱帯地域において降雨量が少ない時期で降水量の多い時期を雨季と呼びます。
赤道を挟んで雨季と乾季の時期は逆転し、気候的な夏と冬も逆転します。

さてフィリピンは基本的に1年を通して気温湿度が高い熱帯モンスーン型気候です。
年間の平均気温は26~27℃程度で、雨季(6月~10月)と涼しい乾季(11月~2月)、暑い乾季(3月~5月)の3つに分
かれます。
日本においても太平洋側と日本海側では気候が違っており、雪が降る地方と降らない地方、雨が多い地方と少ない地方
があるようにフィリピンにおいても気候が違う場所が存在します。

例えば、フィリピンで一番大きな島としてルソン島がありますが、そのルソン島北部中央にはCordillera(コルデリエ
アラ)という山岳地帯があります。

南シナ海側をイロコスといい、こちらは熱帯海洋性気候で比較的過ごしやすく、マルコス元大統領出身ということもあり道路などインフラが非常にしっかりと整備されています。

一方、太平洋側(フィリピン海)のCagayan Valley(カガヤンバレー)は、台風の産地と呼ばれるエリアに面しており、
高温多湿で熱帯雨林気候で人口も少ないため、道路なども舗装すらされていないところが多かったりします。

コルデリエラの一番南にある『バギオ』は、高地にあることから日本で例えるなら軽井沢のような気候で、エアコンがなかった頃の夏季(3月~5月)は大統領府などの政府機関が一時的にここに移転していたことで有名です。
西島筆