本メルマガは、週1回程度を目安に以下の3つのパートから情報をお送りさせていただく内容となっております。

  • 「Paradigm Shift -新しい価値観-」
  • 「Unique Asset Management -独自の資産形成-」
  • 「Zoom In -BALI or Philippinesのリアルな生情報-」
 

■Paradigm Shift -新しい価値観-


前号に続き、「アフターコロナだからこそできる新しい資産運用」の後編をお送りしたいと思います。

ピンチはチャンスの名の通り、このコロナに限らず、大きな事件やイベントがあったときは、市場が大きく動く時です。とお伝えしました。
利益を出しやすい条件として、アービトラージ(歪み)がある環境やタイミングは非常にチャンスといえます。

そんな中、インドネシアのバリ島では、VILLAと呼ばれる別荘をツーリスト向けにバケーションレンタルなどを行う不動産投資が王道として存在しています。

元来、バリ島での不動産投資の面白い点は、
所有権物件(Freehold)でのキャピタルゲインが期待でき、
借地物件(Leasehold)でのインカムゲインが期待できるところです。

一般的には、外国人の個人名では原則として借地物件(Leasehold)しか売買できず、外国人が所有権物(Freehold)を売買するにはインドネシア法人(PMAなど)を立ち上げる必要があり、設立にはコストと時間がかかります。
しかしながら、所有権の代替方法も有り、永久使用権的に保有・売却することも可能です。

そんな中、Leaseholdは所有権よりも金額が格段に安く買えますが、いずれ地主に土地建物の賃借権を返す前提なのでキャピタルゲインは限られます。

これらの背景から「借地Villaを個人名義で買い、旅行者向け貸出で回し、借地期限をある程度残した状態で外国人に売る」モデルの投資が外国人投資家には非常に人気です。

その背景にはバリ島の特殊事情がもたらす、 

1)外国人による借地Villaの売買マーケットが確立している。

2)賃貸利回りが高い。旅行者に短期貸しするとネット8~15%は得られる計算になる。
※米ドル、日本円建ての家賃収納も可能。

バリ島の借地Villaの場合、賃貸利回りが8~15%で回す目算が立ち、10年回せば投下資本を回収できる可能性があるのと、土地所有者の多くが個人(バリ人地主)なので、彼らがお金に困ったタイミングで借地料交渉の可能性もあるため、ジャカルタに比べて借地Villa投資に向いた環境と言えます。

何よりも、バリ島は素晴らしく心地よい場所ですから、別荘として自己使用する楽しみがあります。
また、ランドバンキン型で所有権物件(Freehold)として保有する方法もありますので、資産運用のスタンスによって使い分けることも可能です。

そんなバリ島でのコロナの影響はというと、観光客が来島できなくなり、物件が回らなくなっているため、オーナーによっては、物件を投げ売りするケースも散見されます。具体的には物件価格が2割ほど下がっている場合もあります。

コロナ後の売り出し物件事例

<エリア:チャングーBerawa>
価格 : USD 160.000(約1.760万円)
土地 : 100 ㎡
建物 : 75 ㎡
間取 : 1ベッドルーム×2棟
権利 : リースホールド(2042年4月まで)

サーフィンのポイントがあるブラワビーチまで500m、カップルゲストに最適な1BR×2棟の構造。ビーチクラブ、レストラン、カフェが多く、短期滞在のツーリストに便利なロケーション。
2020年3月頃まで平均稼働率は80%を以上を維持していた収益性重視の物件、土地1棟の広さ100平米なので全体で200平米です。
簡易的な収益レポートによると、
2019年4月よりレンタル開始、4~5月は月貸しRp.18Juta(約15万円)、
6月以降~2020年3月まではデイリーレンタル(ひとRp.1.3~1.5Juta/1.1~1.3万円)で貸し出し、ツーリスト利用の稼働率は月間平均90%ぐらいなので、観光閉鎖となる3月までかなり良いパフォーマンスでした。

月間経費はざっくりと清掃スタッフはRp.1,200,000(1万円)、電気代Rp.800,000(6千5百円)、Wi-Fi Rp.600,000(4千8百円)、というVILLAです。
オーナーは物件を早く売ってしまいたいそうで、当初よりも20%近く価格を下げての提示でした。もちろん、諸々試算したところ、コロナが収まり、観光が戻ってきたとすると、NETで20%程度の収益までは見込めた物件でした。

しかし、物件紹介の日から1週間後に早速手付を入れておさえようとオーナーに交渉したところ、欧米人が現金即金にて購入するとなり、そちらに流れてしまいました。

 

【物件概要】
所在地 Kerobokan, Bali, Indonesia
土地 1440㎡
建物 565㎡
築年 2013年
間取り 10室の寝室つき宿泊施設 
客室タイプ スタンダードタイプ6室、デラックスルーム2室、ヴィラタイプ
権利 16年リースホールド(2036年12月まで、更新交渉可) 
価格 ?315,000 (約3955万円)
付帯施設 レストラン、パブリックルーム、
スパルーム、オフィス、受付、
パーキング、ランドリールーム、
ストレージ、駐車場

【収支実績】(2019年) 
年間売上 1,650,000,000 IDR (1168万円)
年間経費 775,000,000 IDR (549万円)
純利益 875,000,000 IDR (619万円)

現在はコロナの影響で宿泊客がインドネシア国内の方だけになり、低稼働率に甘んじていますが、コロナが落ち着いて国際観光が復活してきて、2019年並みの稼働に戻れば、16%前後の純収益が期待できる物件です。
稼働が戻るまでの「我慢」の期間を見込む必要がありますが、経費を切り詰めて、1年あたり400万円以下におさえることは可能です。

利は仕入れに有りと言われるように、このようにコロナを味方につけてタイミングよく物件購入などできると、非常に条件よく運用ができるものも存在するわけです。

※バリの不動産事情をお知りになりたい方は、
前編(22分)、後編(25分)にわけた動画がありますので、そちらをご覧ください。
少し画像の乱れがありますがご承知おきください。

【バリ島不動産投資のポイント・前編】の動画内容
00:40-01:30 インドネシアの基本情報
01:31-03:24  バリ島について
03:25-07:08 バリの不動産のポイント
07:10-09:40 楽園BALI-styleの事業紹介
09:41-12:20 スタッフ紹介
12:21-18:34 宿泊タイプ別の特徴(ヴィラ・アパート・ホテル)
18:35-20:35 バリ島のヴィラ(別荘)をマンスリーレンタルした場合
20:36-22:13 レンタルできるヴィラの事例
前編:https://youtu.be/_-0o83UJz2o

【バリ島不動産投資のポイント・後編】の動画内容
00:00-06:20 バリ島でのVILLA投資の面白さ
06:21-08:08 エリア紹介
08:10-20:52 これまでにご紹介して来た物件情報
20:53-24:49 バリ島の不動産情報を得る方法
後編:https://youtu.be/4AGyPorH32Q

 

■「Unique Asset Management -独自の資産形成-」

今回は、ポートフォリオの安定化と、世界の富裕層が実践している『ランドバンキング』 についてお話ししていきます。

『ランドバンキング』とは、近い将来(3年から8年)の間に値上がりが確実視される土地に、更地の段階で投資をする方法です。

比較的、古くからある資産運用手法で、似たようなビジネスとして世界的に財を成した人物では、ロックフェラー、ウォルト・ディズニー、ドナルド・トランプ、ハワード・ヒューズなどがあげられます。

不動産投資で有名なものとして、REIT(リート:不動産投資信託)がありますが、こちらは投資信託の色合いが濃く、金融商品に近いものです。また、物件を所有し、賃料などから収益を得るインカムゲインもありますが、こちらもランドバンキングとは、全く異なる収益モデルとなります。

なおランドバンキングには大きく分けて、ひとつの土地を複数者で購入するファンドタイプと、すべてを自分の名義で取得する不動産タイプがあります。

 

それでは、どのようにランドバンキング(ファンドタイプ)で収益を作っていくのか、簡単な流れとポイントなどをお伝えしていきます。こちらのプランなどは比較的安価に参加可能なものが多いです。

【1.土地取得】
まず、ランドバンキングにおける土地取得のポイントを8個、お伝えします。

・土地が平らであり、すぐに開発が可能であるか?
・ライフラインが整備できているか?
・今後、人口は増加するのか?
・幹線道路へのアクセスは便利なのか?
・具体的な開発プランはあるのか?
・企業誘致などを積極的に行っているか?
・学校、病院が近くにあるか?
・公共、居住地域の開発計画はあるか?

【2.投資組合の組成(シンジケーション)】
次にランドバンキングにおけるシンジケーションとは何か、ご説明します。

・不動産をユニット(不可分持分権)に分割し、投資単位を小口化して魅力的な投資機会が提供される
・投資家は、このユニットを購入し、共同出資持分権者(エクイティ・パートナー)になる
・この持分権については、公的な証明書が州政府より発行される

【3.開発計画】
そして付加価値の創出とは何か、こちらもお伝えしていきます。

・コミュニティ計画を最優先として、環境インフラ整備などの要因を基本に、『開発計画草案』を作成
・政府、自治体や開発業者と将来の開発について交渉
・協議、交渉に基づいて『開発計画』を完成

【4.土地売却から完了まで】
最後に、投資家の利益を最大限にするためにはどうするべきか、お伝えします。

・「開発計画」への承認と土地使途の再指定により、対象地を現地の開発業者などに売却する
・開発業者からの購入申込には、持分全体の51%の賛成により売却する
・売却されたら、売却代金を保有ユニット数に応じて分配(投資元本+利益が確定)

ここまででランドバンキングの流れがわかったところで、次回はリスクとメリットをご説明していきます。


 

■「Zoom In -BALI or Philippinesのリアルな生情報-」

メルマガ27号で紹介しました、フィリピンのコロナ感染状況ですが、9月時点で収束どころか横ばい状態でしたが、10月に入ってから徐々に感染者現象方向に転じました。

現在、フィリピンへの入国については、長期ビザ取得者、ビジネス関係者に限り入国の許可がでています。
入国する場合は、フィリピン政府認定の隔離施設およびPCRけ4ン佐野事前予約が必要です。(10月現在)

このような状況ですので、フィリピン航空もコロナ禍による財務悪化により、政府の支援を受けながら裁判所に債権者保護を申請する計画があるというニュースが出ています。
従業員の3割(2700人)削減予定。

 

現在フィリピンにおいては、ロックダウンのレベルを4段階に分けてエリアごとに指定されています。

ECQ(Enhanced Community Quarantine)
強化されたコミュニティ検疫(外出は週2日)

MECQ(Modified Enhanced Community Quarantine)
変更された拡張コミュニティ検疫

GCQ(General Community Quarantine)
一般的なコミュニティ検疫

MGCQ(Modified General Community Quarantine)
変更された一般的なコミュニティ検疫

  ECQ MECQ GCQ MGCQ
自宅に滞在 症状が悪化しやすい高齢者、感染を媒介しやすい若年者は、自宅に滞在 制限なし
運動 不可 マスクを着用し、2mの距離を確保した上で、限られた屋外スポーツ可能(ウォーキング、ジョギング等)
GCQでは高齢者等も運動のために外出可能。
接触の限られたスポーツは可能
(ゴルフ、テニス等)
集会 不可 5名まで可 10名程度まで可 会場定員の半分まで可
移動 公共交通運休、航空は限られた国際便のみ 航空:限られた国際便のみ管理されたインバウンド旅行(フィリピン人の帰国)
自転車等の動力装置のない交通手段を奨励
島を結ぶ移動は不可
上院間の距離を確保し、安全管理を徹底した上での公共交通運航
GCQ下の島を結ぶ移動可
通常通り運航
(ただし、乗員間の距離を1m以上確保)
学校 学校施設閉鎖 (基礎教育)2020年8月24日~2021年4月末を想定
(高等教育)2020年9月開講を想定
授業は最小限の運営
授業も可能
(衛生管理を徹底。地方自治体の了解が必要)
政府 最小限の人員が出勤、他は在宅勤務 変則的な対応(週40時間勤務、週4日勤務等) 全員出勤も可能
(代替勤務形態を推奨)

(交通規制) MGCQ では公共交通を通常運行(乗員間の間隔を 1m 以上確保)、私用交通は自由。

公私 交通手段 ECQ MECQ GCQ
公共 鉄道 不可 不可 可能(積載乗員数に制限あり)
バス
ジープニー
タクシー
GRABなどTNVS
トライシクル 内務省または地方自治体のガイド来によっては可能
公共シャトル 可能(感染者対策等の現場関係者用) 可能
私用 私用シャトル 陸運局から許可を得てシャトルを借り上げ
(MECQは定員の50%まで搭乗可能)
可能
私用車 関係当局から認可された事業/活動に従事する者
(MECQは座席1列あたり乗員2名まで)
自転車 不可 1名のみ
バイク
電動スクーター

※ジェトロ・マニラ研究所発表

現時点では、マニラ首都圏はGCQ対象地域となっており、レジャーの一切は規制されておりできない状況で、レストランなども全席の3割までの稼働率で利用可能という規制がなされています。

 

さらに全地域で外出時はマスク着用、公共交通機関利用時にはフェイスシールド着用が義務付けられています。
こういった法整備の面では、自由主義が根付いた日本よりは厳しいものとなっております。

現在の入国規制は一時的なものではありますが、完全に解除される日程はいまだ目途が立っておりません。
筆:西島