■「Zoom In -BALI or Philippinesのリアルな生情報-」
~フィリピン最新ニュースをピックアップ~
フィリピン関連のフレッシュな最新トピックをお届けいたします。
【アキノ前フィリピン大統領死去】
フィリピンのベニグノ・アキノ前大統領が24日午前に肝臓病と糖尿病のため死去した。
アキノ氏はマルコス独裁政権を打倒したコラソン・アキノ元大統領の長男で、2010年~16
年まで大統領を務めた。
アキノ前大統領は、南部のミンダナオ島で40年以上続いた内紛の終結に尽力し、14年3月
にイスラム武装勢力と包括和平に合意した。同4月には米軍との新軍事協定を調印。
1992年に撤退した米軍の再駐留に道を開き、南シナ海への進出を強める中国をけん制しま
した。
【ドゥテルテ大統領「接種拒否なら逮捕」感染収束遠く、国民に怒りあらわ】
フィリピンのドゥテルテ大統領は21日夜に、新型コロナウイルスのワクチン接種について
「国民は打つか、逮捕されるか選ばなければならない」と延べ、拒否する国民を逮捕する
考えを示した。
感染対策が長引いているにもかかわらず累計感染者は東南アジアで2番目に多く、指示に
従わない国民に怒りをあらわにした。ただ逮捕には法整備が必要で人権侵害の懸念がある
ほか、非常事態の中で大統領の独裁色が強まっているとの批判も出ている。
【グローブ傘下、音声配信の広告業で提携】
フィリピンの通信大手グローブ・テレコム傘下で、マーケティングサービスのデジタル化
を手掛けるアドスパークは24日、ポッドキャスト・ネットワーク・アジア(PNA)と提
携すると発表した。フィリピンで利用が増えている音声配信「ポッドキャスト」で広告
サービスを強化する。
今回の提携により、企業などの配信者はポッドキャスト制作サービスや広告掲載サービス
を利用できるようになる。利用者の年齢層といったデータも活用できる。
グローブによると、フィリピンのポッドキャストの利用者は3,100万人に上り、23~34歳
の利用が多い。利用が増えている背景として、消費者が画面の見過ぎによる目の疲れから、
聞いて楽しむサービスに需要が移っていると説明した。ポッドキャストの利用増加に伴い、
ポッドキャスト上の広告費も増加するとみている。
【中国シノバック製の新型コロナワクチンに好評価】
フィリピンのガルベス大統領顧問は6月14日、フィリピン国家タスクフォース(NTF)の場
で、シノバック(中国)製の新型コロナウイルスワクチンが政府のワクチン接種プログラ
ムの優先接種グループA4(経済活動で現場業務に従事する者、注)への拡大に大いに貢献
していると述べた(政府通信社6月15日)。政府は同月7日から優先接種グループA4へのワ
クチン投与を開始している(2021年6月7日記事参照)。同顧問はまた、シノバック製ワク
チンの安定した供給は、国内で感染が現在拡大しているビサヤ地域やミンダナオ地域での
接種の大きな助けになると述べた。6月14日時点で、フィリピンには750万回分の同社製ワ
クチンが到着している。
5月には、フィリピンで人気のあるファイザー(米国)製ワクチンがマニラ首都圏のパラ
ニャーケ市のモールで接種できるとの期待が広まり、住民が殺到した。これを受けて、ロ
ドリゴ・ドゥテルテ大統領は、ワクチン接種の際にはブランドを選択することができない
と国民に強調していた。しかし、現在ではシノバック製の需要が増加し、ほとんどの地方
自治体では、物流や保存面で融通性のあるシノバック製の供給を増やすように求めている。
【フィリピン中銀、5会合連続で金利据え置き 下振れリスク指摘】
フィリピン中央銀行は24日、政策金利の翌日物リバースレポ金利を予想通り過去最低の
2.0%に据え置いた。一部地域で新型コロナウイルス流行に伴う制限が強まる中、成長
の下振れリスクが残っていると指摘。緩和的な金融政策を維持し、景気回復を支援する。
翌日物預金金利と翌日物貸出金利も、それぞれ1.5%と2.5%に据え置いた。
ジョクノ総裁は記者会見で「経済活動はここ数週間で改善しているものの、新型コロナの
感染脅威が続く中、景気回復の全般的なモメンタムは相変わらず不確かだ」と指摘。「イ
ンフレ見通しに対する下振れリスクは新たなコロナ変異株の出現で引き続き生じており、
抑制措置の緩和を遅らせ、国内成長見通しを弱める可能性がある」と述べた。
また、米連邦準備理事会(FRB)の早期引き締めシグナルがでているものの、必要な限
り経済支援を続けると強調した。
インフレ見通しは依然「おおむね均衡している」と指摘。今年の平均は目標レンジ(2─
4%)の上限近くとなり、2022年と23年はレンジの中間に向けて鈍化するとの見方
を示した。
直近3カ月のインフレ率は4.5%で推移している。
フィリピンペソは、中銀の決定発表後、ほぼ横ばいで推移している。一時は約3カ月ぶり
の安値に下落していた。
フィリピンは5月に今年と来年の経済成長目標を下方修正している。
【フィリピン航空、不採算の長距離路線廃止へ】
経営再建策を検討中のフィリピン航空(PAL)が、不採算の長距離路線を廃止する方針
であることが分かった。どの路線が廃止になるかは明らかになっていない。21日付インク
ワイラーが伝えた。
同社の元社長で航空専門家のアベリノ・ザパンタ氏は、運航コストが非常に高いマニラ
―ロンドン線が廃止となる可能性が最も高いと指摘する。ニューヨーク路線も運休とし、
北米他都市は減便して運航を継続することもあり得るとの見解を示した。
フィリピン航空の昨年の売上高比率は、地域別で米国・カナダが最も高く全体の36.6%
を占めた。これにアジア・オーストラリア(29.6%)、中東(13.3%)と続き、欧州は2.
4%にとどまっていた。
以上、フィリピンの主要ニュースをお伝えいたしました。西島筆
|