■Paradigm Shift -新しい価値観-
前回に続き、ビジネスでの考え方をサッカーに置き換えてお伝えするシリーズの後編ですが、今日は【コミュニケーション能力】について考察してみたいと思います。
ここで非常に素晴らしい成果を残した南アフリカワールドカップのサッカー日本代表の原動力が何だったのかをみてみたいと思います。
デンマーク戦後にできた選手の輪。それがその W 杯での日本の強さの象徴といえました。デンマーク戦でみせた戦い方はフィールドに立つ選手同士がコミュニケーションを取り合い、監督の指示を受けずにポジションを修正したわけです。
監督の指示による戦術の変更ではなく、出ている選手が自ら考えておこなったポジション変更に代表されたわけです。
企業や組織、グループでも同じで根底にあるテーマや目的を全員がどれだけ共有しているかで、とるべき行動が変わってきます。そこに利害関係などが生じると目的が複数存在することになり、なかなかひとつにまとまりません。
試合中にこれをおこなう場合は、選手間全員の合意が必要になります。ここには非常に高度な意思疎通の力が存在します。この意思疎通を高めるものこそがコミュニケーション力というものです。
そして、一口にコミュニケーションといってもいろんな要素を含んでいます。
・考えを整理すること
・伝えること
・理解すること
ちょっと難しい話ですが、一般社会で求められるコミュニケーション能力としては、
□概念化能力(コンセプチュアルスキル)
□対人関係能力(ヒューマンスキル)
□業務遂行能力(テクニカルスキル)
これらの 3 つに分類されるといわれます。この 3 つはいずれも社会人に必須の能力で、その中でも対人関係能力は最も求められるものです。
対人関係能力とは、簡単にいうと「人と人との関係をうまくやっていく能力」「周りを動かす能力」といわれますが、さらにつぎの 3 つに分解できます。
■自己理解・自己表出能力
自分のことをよく理解できる能力。自分の思っていることをしっかりと表現できる能力
■他者理解・他者対応能力
相手をよく理解し、相手とのコミュニケーションを円滑にすすめていくことができる能力
■集団形成能力
集団のなかでうまく機能できる能力。
集団に影響を与え、望ましい方向へ導いていくことのできる能力。
このような対人関係能力は不思議なことに学校でも会社でもきちんと学ぶ機会がほとんどないのが実情です。いじめが社会現象になっているのもこのヒューマンスキル(コミュニケーション能力)の未発達によるところが大きいのではないかと思います。
今は一旦休止中ですが、フットサル事業をおこなってきた株式会社 VIDA では、そんなコミュニケーション力の向上も意識しての指導にて、子供向けのスクールもおこなっていました。ヒューマンスキルの向上は、サッカーの技術向上以上に子供たちにとっても非常に重要なテーマであるといっても過言ではありません。
サッカーやフットサルに代表されるチームスポーツは、個人の力を集結させた組織力で成果(勝利)をあげるものです。フットボール同様ビジネスでも、プロジェクト型で動くようになっている昨今、チームの力で成果を上げることがとても重要になってきています。
ヒューマンスキルである対人関係能力を向上させながら、円滑なコミュニケーションで高い成果を求めていきたいとモノですね! |